石坂正信

石坂 正信の生涯

初期の人生

石坂正信は1860年、江戸の牛込矢来町に生まれました。幼少期からの学びを重ね、1872年から1877年にかけて広瀬青邨の塾で漢学を学びました。その後、1878年から1879年まで共立学校で英語と数学を学び、1879年から1880年には東京大学予備門での学びを経験しました。1880年9月、彼は横浜の美會神学校の普通科に入学することになります。

キリスト教への入信

1882年に、同校が東京に移転した際に上京した石坂は、1883年のリバイバル運動を通じてキリスト教に信仰を持つようになり、メソジスト派のジュリアス・ソーパー宣教師から洗礼を受けます。同年、東京英学校が東京英和学校に改称すると、彼はその講師として教壇に立ち、1886年には幹事に就任しました。1889年にはアメリカに留学し、アルビオン大学やジョンズ・ホプキンズ大学で歴史学と経済学を専攻。1894年には哲学博士の学位を取得し帰国しました。

青山学院での活動

帰国後、石坂は青山学院の教職に戻り、その後中等科と高等科の科長を務めました。1921年には急逝した高木壬太郎院長の後を引き継ぎ、青山学院の第5代院長（院長事務取扱）に就任します。1923年の関東大震災では、青山学院の建物が戦災を受ける中、彼は当時の中学部長の阿部義宗と共に救済活動に奔走しました。

石坂はアメリカに渡り、メソジスト監督教会の募金活動を広く呼びかけた結果、寄付金が集まりました。これにより青山学院は復興と再建を果たし、同時に前院長の高木が計画していた青山学院と青山女学院の合同計画が現実のものとなるのです。

晩年と死去

1933年、石坂は院長職を阿部義宗に引き継ぎ、名誉院長に就任。1934年11月9日、彼は74歳でこの世を去ります。彼の告別式は青山学院の大講堂で11月12日に行われ、多くの人々がその人生を偲びました。

石坂の生涯は、教育者としての情熱とキリスト教への信仰に捧げられ、多くの学生や信徒に影響を与え続けました。彼の教えと業績は、今でも青山学院の歴史に深く刻まれています。

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