石塚山古墳

石塚山古墳の概要

石塚山古墳（いしづかやまこふん）は、福岡県京都郡苅田町に位置する古墳時代前期の前方後円墳です。築造は4世紀初め頃とされ、特に卑弥呼の墓として注目されている古墳の一つです。1985年に国の史跡に指定され、出土品には重要文化財も含まれています。

基本情報

古墳は周防灘を見渡せる緩やかな斜面に築かれており、推定の全長は約120メートル、後円部の高さは10メートルを超えるとされています。前方部は、墳丘の上にある神社の建立時に削平されているため、原形を留めていない部分もあります。墳丘には葺石が施されていますが、埴輪は確認されていません。また、1796年に発掘された竪穴式石室は当初の形を損なっており、現在は内部を直接見ることができなくなっています。

・ 位置: 福岡県京都郡苅田町富久町1丁目
・ 指定: 国の史跡（1985年指定）

出土遺物

出土した遺物は、少し離れた宇原神社に収蔵されています。これには、舶載三角縁神獣鏡6種7面、素環頭大刀、銅鏃が含まれ、高い歴史的価値を持つものです。文献によると、実際には銅鏡が合計11面（または14面）と金具が出土したとも伝えられています。これらの鏡は、岡山県や京都府の古墳出土品と同様の特徴を持っており、1953年に国の重要文化財に指定されています。

最近の1987年の再発掘では、後円部の石室が大きく損傷していることが確認され、さまざまな遺物が見つかりました。その中には細線式獣帯鏡の破片、琥珀製の勾玉、碧玉製の管玉、小札革綴冑片などが含まれています。特に三角縁神獣鏡については、他の古墳との関係が多くの研究者によって示されています。

築造年代

石塚山古墳の特徴として、墳丘に円筒埴輪列が見られないことが挙げられます。また、出土品に石製の腕飾り類や埴輪が含まれず、すべて舶載鏡であることが古墳の建造年代を示す手がかりとされています。伝統的には4世紀初めに建造されたと考えられていますが、最近の研究では3世紀中頃から後半にさかのぼる可能性も示唆されています。

文化財としての重要性

石塚山古墳は、その出土品が特に貴重であることから、1953年には重要文化財として指定されています。具体的には、3角縁神獣鏡7面と銅鏃が挙げられます。これらの遺物は古墳時代における文化と技術を示す重要な証拠となっています。

アクセス

この古墳を訪れるには、JR日豊本線の苅田駅から徒歩15分ほどであり、苅田町役場のすぐ側に位置しています。自動車利用の場合は、東九州自動車道の苅田北九州空港インターチェンジから約4.5キロメートルの距離です。

石塚山古墳は、古代日本の文化と歴史を理解するための重要な遺跡であり、訪れることで豊かな文化遺産を感じることができます。

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