苅田駅

苅田駅：北九州都市圏と空港を繋ぐ、歴史と発展を刻む駅

苅田駅は、福岡県京都郡苅田町に位置する九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線の駅です。駅番号はJF08。北九州市への通勤圏に属しており、特にラッシュ時には多くの利用者で賑わいます。

歴史と変遷

苅田駅の起源は古く、1895年（明治28年）4月1日、九州鉄道によって「刈田駅」として開業しました。その後、国有化を経て帝国鉄道庁の管轄となり、1907年11月には「苅田駅」に改称されました。東京の神田駅との混同を避けるため、1918年（大正7年）10月16日には一時的に「かりたえき」という読み方が用いられましたが、1959年（昭和34年）10月1日には現在の「かんだえき」に戻されました。

長い歴史の中で、苅田駅は幾度かの変化を遂げてきました。1975年（昭和50年）3月10日に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR九州に継承されると、同年3月19日には駅舎改築が行われました。2000年（平成12年）9月20日には自動改札機が導入され、利便性が向上しました。

2006年（平成18年）3月16日の北九州空港開港を機に、駅舎の大規模なリニューアル工事が行われ、同年4月22日に完成しました。このリニューアルにより、駅舎と駅前広場が整備され、町の顔として生まれ変わりました。2009年3月1日にはICカードSUGOCAの利用が開始。同年10月1日には日豊本線の一部区間でワンマン運転が開始され、苅田駅も日中を中心にワンマン化されました。2022年3月12日にはみどりの窓口の営業時間が短縮されました。そして2023年10月1日には、JR九州サービスサポートからの委託が解除され、JR九州本体による直営駅となりました。

駅構造と設備

苅田駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。かつては木造駅舎でしたが、苅田駅周辺整備事業によって橋上駅舎となり、東西を結ぶ自由通路「WEロード」が設置されました。この通路にはエレベーターも設置され、バリアフリー化が推進されています。ホームは4両分が嵩上げされています。みどりの窓口も設置されており、利用者の利便性を高めています。

過去の専用線

かつては、駅西側の採石所と苅田港に面するセメント工場を結ぶ専用線が複数存在していました。日本セメント（現・太平洋セメント）と豊国セメント（現・三菱マテリアル九州工場）がそれぞれ専用線を使用し、セメント輸送に利用されていました。それぞれの会社は独自の輸送方法を採用しており、日本セメントは国鉄の機関車を借りて、豊国セメントは自社所有の蒸気機関車を使用していました。現在はこれらの専用線は撤去され、跡地は道路や公園として利用されています。豊国セメントが使用していた蒸気機関車の一台は、苅田小学校に寄贈され、静態保存されています。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日平均乗車人員は約2093人です。苅田町の中心駅として、周辺には町役場、図書館、学校、そして国道10号線が隣接しています。北九州工業地帯の一部である苅田港周辺には多くの工場が立地しており、苅田駅は地域の産業活動を支える重要な役割を担っています。また、東九州自動車道の苅田北九州空港ICや九州電力苅田発電所も比較的近距離に位置しています。

アクセス

苅田駅には西口と東口があり、それぞれロータリー内にバス停が設置されています。さらに、国道10号線上にもバス停があり、西鉄バス北九州と苅田町コミュニティバス「ゆめシャトル」が運行されています。かつては北九州空港への直通バスも運行されていましたが、現在は運行されていません。

隣の駅

朽網駅
小波瀬西工大前駅

苅田駅は、歴史と発展を刻みながら、地域の生活と産業、そして北九州空港へのアクセス拠点として重要な役割を果たしている駅です。これからも、多くの利用者にとってなくてはならない存在であり続けるでしょう。

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