石山 (札幌市)

石山（いしやま）

石山は、北海道札幌市南区に位置する地名です。豊平川が東から北へと屈曲する地点の右岸に沿って広がっています。地域の中央部を東西に石山通（国道230号）が走り、交通の要となっています。

石山地区の東側、真駒内川の左岸に沿った一帯は、特に石山東と呼ばれています。真駒内通（国道453号）が川と並行して南北に走り、このエリアの主要な道路となっています。

歴史

石山の地名は、古くはアイヌ語で「ウコッ・シリネイ（互いに山がくっついたところ）」と呼ばれていたことに由来します。その後、地域を流れる穴の沢から名前を取り、「穴の川尻」や「穴の川沿」といった地区が形成されました。

1872年（明治5年）、お雇い外国人アンチセルによって札幌軟石が発見され、開拓使の意向により採掘が開始されました。1876年（明治9年）には、山鼻からの道路が開通したことで採掘がさらに進みました。同年には山鼻屯田兵村の追給地となり、通い作が行われるようになりました。1891年（明治24年）の『開拓使事業報告書』には、一帯を指して「石山」と呼称した記録が残っています。

1884年（明治17年）には、軟石採掘とは別に開墾が始まり、1890年（明治23年）には水田も開かれました。これにより、石山は農業地域としての側面も持つようになりました。

1910年（明治43年）には、札幌石材馬車鉄道が開通し、軟石の輸送を担いました。この鉄道の経路は、後に石山通と呼ばれるようになり、現在も主要な道路として利用されています。

1944年（昭和19年）の字名改正によって、地名が正式に「石山」となりました。これにより、地域名としての石山が確立しました。

施設

石山地区には、様々な施設があります。

石切山駅（廃止）：定山渓鉄道線の駅。
石山振興会館：地域住民の交流拠点。
市立札幌啓北商業高等学校：地域の商業教育を担う。
札幌市立石山中学校：地域の中学校。
札幌市立石山緑小学校：地域の小学校。
札幌市立石山南小学校（閉校）：2019年に閉校。
札幌市立藤の沢小学校：地域の小学校。
森の幼稚園：自然豊かな環境にある幼稚園。
札幌石山保育園：地域の保育を担う。
石山神社：地域の神社。
石山緑地：自然豊かな公園。
豊羽鉱山選鉱所（廃止）：かつて鉱業で栄えた名残。

石山東地区には、以下の施設があります。

札幌市立石山東小学校：地域の小学校。
北海道札幌養護学校もなみ学園分校：特別支援学校。
佛願寺：地域の寺院。

石山は、豊かな自然と歴史を持つ地域であり、札幌市の南区を構成する重要な一部です。

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1

外部リンク

* 札幌市南区

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