石岡久夫

石岡久夫（いしおか ひさお）について

石岡久夫は、1905年2月12日に広島県に生まれ、2000年1月14日に91歳で亡くなった、日本の著名な兵法研究者及び弓道家です。文学博士でもあり、弓道の高段者として知られ、弓道範士十段の資格を有する人物でした。長きにわたり國學院大學の教授を務め、弓道部の元師範としてもその名を馳せました。号としては「榊舎弓人」を持ち、彼の研究および実践における貢献は日本の武道界において非常に高く評価されています。

来歴

広島県で生まれた石岡は、若い頃から日本史学の発展を志し、独自の視点から未踏の研究領域に挑戦することを目指しました。学生時代、彼は休職中の海軍大佐・有馬成甫と出会い、彼の紹介を通じて兵法学の重要性に気づきました。1934年、石岡は國學院大學の国史学科を卒業し、その後、有馬の推薦で江田島にある海軍兵学校教育参考館で嘱託研究員として働き始めました。この場所には、日本の古い兵法に関する数多くの貴重な文献が集められており、彼の研究の基盤となりました。

その後、陸軍の支援のもとで設立された日本武学研究所に加わり、ここで石岡は『日本武学体系』の編集に携わります。1952年からは國學院大學で講師として弓道を教え始め、1955年と1958年には弓道選手権において小的の部で2度優勝。また、1956年には読売新聞社から日本スポーツ賞を受賞しました。

さらに、1966年には『日本武道全集』において弓道に関する執筆を行い、有馬成甫の監修のもとで『日本兵法全集』の編集に関わりました。1973年には、桑田忠親や樋口清之、進士慶幹、渡辺一郎の協力を得て『日本兵法史: 兵法学の源流と展開』を出版しました。その後、1975年に教授職を退き、1978年には「山鹿素行兵法学の史的研究」についての研究で文学博士号を取得しました。

主な著書

石岡久夫の著作は多岐にわたり、彼の研究や実践の成果を示しています。主な著作には以下のものがあります：

• - 『弓道の新研究』私家版（1968）
• - 『日本兵法史 兵法学の源流と展開』雄山閣（1972）
• - 『私の弓道修行』玉川大学出版部（1977）
• - 『山鹿素行兵法学の史的研究』玉川大学出版部（1980）
• - 『兵法者の生活』雄山閣出版（1981）
• - 『近世日本弓術の発展』玉川大学出版部（1993）

また、彼は多くの共著や編著にも携わっており、例えば『日本兵法全集』全7巻（人物往来社、1967-68）や、流派に関する各種書籍が存在します。

まとめ

石岡久夫は、兵法学と弓道の分野での卓越した研究者であり、数々の著作を通して日本の武道の発展に大きく寄与しました。彼の業績は、今日においても多くの人々に影響を与え続けています。彼の生涯は、日本文化に対する深い愛情と探求心によって彩られたものであり、今後も彼の研究は日本の武道界において重要な位置付けを保つことでしょう。

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