石川康正

石川康正（いしかわ やすまさ）

概要

石川康正は、戦国時代に松平氏に仕えた武将です。石川数正の父として知られています。松平氏の重臣であった石川清兼の長男として生まれましたが、母は側室であったと伝えられています。

生涯

天文18年（1549年）、幼くして松平氏の家督を継いだ松平家康に仕え、阿部定吉と共に岡崎城で政務に携わりました。ただし、父の清兼が岡崎城にいたとする説もあり、その場合、康正は土呂の砦を守備していたとされます。どちらが正しいかは、確証が得られていません。

『寛政重修諸家譜』には、康正のその後の事績に関する記述はありません。しかし、『新編 岡崎市史』では、永禄6年（1563年）に勃発した三河一向一揆の際、石川氏一族が分裂した時には、康正は既に亡くなっていたと記されています。このことから、康正は比較的早くにこの世を去ったと考えられます。

石川康正は、松平氏の初期を支えた重要な人物であり、その後の石川氏の発展の礎を築いたと言えるでしょう。しかし、その生涯については不明な点が多く、今後の研究が待たれます。

補足

石川康正は、松平家康の初期を支えた重臣の一人であり、その政務能力は高かったと考えられます。
土呂の砦を守備していたという説もあることから、武将としての能力も一定以上であったと推測されます。
三河一向一揆は、松平氏にとって大きな危機でしたが、康正はその前に亡くなっていたため、直接的な影響は受けていないと考えられます。
『寛政重修諸家譜』と『新編 岡崎市史』の間で、康正の事績について記述の差異が見られることは、当時の記録が必ずしも正確ではなかったことを示唆しています。
石川康正の母が側室であったという説は、当時の武家社会における家督相続や身分制度を考える上で興味深い点です。

参考文献

新編岡崎市史編集委員会 編『新編 岡崎市史』 2巻《中世》、新編岡崎市史編さん委員会、1989年。
石川玄 編『浄土真宗と三河石川』愛知石川会、1935年。
『寛政重修諸家譜』 3巻、高柳光寿（監修）、続群書類従完成会、1964年。ISBN 978-4-7971-0207-9。
『寛政重修諸家譜』 4巻、高柳光寿（監修）、続群書類従完成会、1964年。ISBN 978-4-7971-0208-6。
『寛政重修諸家譜』 6巻、高柳光寿（監修）、続群書類従完成会、1964年。ISBN 978-4-7971-0210-9。
『断家譜』 1巻、斎木一馬・岩沢愿彦（校訂）、続群書類従完成会、1968年。ISBN 978-4-7971-0266-6。
『参河志』愛知県郷土資料刊行会、1979年。

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