石川清兼

石川清兼（いしかわ きよかね）

石川清兼は、戦国時代に三河国で活躍した武将です。三河国碧海郡小川（現在の愛知県安城市）を拠点とした石川氏の一族であり、西三河に勢力を拡大していた松平氏の家臣として知られています。彼は石川忠輔の子で、当時の文書には忠成（ただなり）と記されていることもあります。

松平氏への仕官と活躍

清兼は松平清康に仕え、その死後は広忠に近侍しました。天文11年（1542年）には、後の徳川家康となる竹千代の誕生に際し、「蟇目の役」という重要な役割を務めたとされています。また、天文18年（1549年）の天野孫七郎宛知行書、天文24年（1555年）の大工跡職安堵状、弘治3年（1557年）の浄妙寺宛て道場安堵書などから、この間、松平家の重臣として西三河における政務を取り仕切る立場にあったと考えられています。

さらに、「岡崎領主古記」によれば、清兼（忠成）は天文年間中の「五奉行」の一人であったと記されています。これは、彼が松平家において非常に重要な役割を担っていたことを示しています。

一向宗門徒としての側面

清兼は、一向宗の門徒としても活動していました。天文18年（1549年）には、三河本證寺（野寺本證寺）の住職後継として「あい松」なる人物を支持する旨の門徒連判状の筆頭に署名しています。このことから、一向宗門徒の総代的な立場にあったと考えられています。また、連署された115名のうち33名が石川（もしくは石河）姓であることから、清兼が西三河における石川氏の惣領としての存在感を示していたことが伺えます。

その後の消息

現存する史料で清兼の存在が確認できるのは、弘治3年（1557年）の安堵書が最後です。これ以降の詳しい消息は不明です。三男である家成の生年（天文3年（1534年））から考えると、永禄5年（1562年）の三河一向一揆の際には、すでに家督を譲っていた可能性が高いと考えられています。没年は天正6年（1578年）4月11日とされています。

登場作品

* NHK大河ドラマ『徳川家康』(1983年)：早川純一が石川清兼役を演じました。

まとめ

石川清兼は、松平氏の重臣として西三河の政務を担い、一向宗門徒としても重要な役割を果たした人物です。彼の活動は、戦国時代の三河地方の歴史を語る上で欠かせない要素となっています。

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