石川政康

石川政康とは

石川政康は、室町時代中期から戦国時代初期にかけて活躍した武将です。清和源氏の流れを汲む石川氏の出身とされ、当初は鎌倉公方足利持氏に仕えていました。

流浪から三河へ

永享の乱で主家が没落した後、政康は流浪の身となります。その中で、浄土真宗の僧侶である蓮如と出会い、その教えに感銘を受けました。蓮如の誘いを受け、政康は三河国へ移住することを決意します。三河は政康の出身地であり、また、当時武士を束ねる者がいない状況でした。彼は蓮如の門徒を率いる役割を期待されたのです。

三河での活動

文安3年（1446年）、政康は三河国碧海郡志貴荘村（現在の愛知県安城市）に移住し、小川城を築きました。この地を拠点として、浄土真宗の布教活動に尽力します。佐々木上宮寺、野寺本證寺、針崎勝鬘寺を本願寺派に改宗させ、三河における本願寺派の重要な拠点としました。さらに、額田郡土呂に本宗寺を建立し、蓮如に寄進。本願寺の有力寺院として発展させ、三河における門徒勢力の拡大に大きく貢献しました。

宗派拡大への貢献

政康は、三河における門徒武士の総代として、宗派の勢力拡大と拠点建設に深く関わりました。その影響力は、後の三河一向一揆にも繋がります。政康の築いた寺院は、一揆の拠点として激しい抵抗を繰り広げました。また、政康の子息である康頼は、出家して僧明了となり、小川城の隣に蓮泉寺を建立しました。石川家は、一族をあげて浄土真宗の興隆に力を注ぎました。

松平氏との関係

文明3年（1471年）、安祥城を松平信光が奪取し、三男の松平親忠が城主となります。親忠は、政康に対して家老の申し出を行い、政康の三男である石川親康がこれに応じて家臣となりました。この関係は、石川家と松平家の繋がりを示すものとして重要です。

死去とその後

政康は、文亀2年7月18日（1502年8月20日）に亡くなりました。その生涯は、武将としてだけでなく、浄土真宗の門徒としても重要なものでした。彼の足跡は、小川周辺に多くの史跡として残っており、その存在は今も語り継がれています。また、三河石川氏は、政康以前から三河に土着していたとする説もあり、その詳細は未だ明らかになっていません。

参考文献

『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家先祖覚書』
『石川家由来』
『石川家系譜』
『石川家譜』
『石川家譜難波録』

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