石川準吉 (総務官僚)

石川準吉について

石川準吉（いしかわ じゅんきち、1908年3月14日 - 1989年4月14日）は、日本の官僚、歴史学者として知られています。彼は行政管理庁の行政管理局長を務め、法学博士の学位を持つ重要な人物でした。石川の人生には、官僚活動だけでなく、研究と著作においても多くの業績があり、日本の戦後行政と歴史に大きな影響を与えました。

経歴

兵庫県朝来郡生野町（現在の朝来市生野町）で、石川伊兵衛の四男として誕生した石川は、教育を受けた後、第一高等学校を卒業します。1932年には東京帝国大学文学部哲学科を卒業し、さらに1935年には高等試験の行政科試験に合格します。この合格は、彼の官僚としてのキャリアをスタートさせる重要なステップとなりました。

彼の官僚としての初期のキャリアは、内閣に入り内閣調査局に属することで始まりました。その後は、企画庁、企画院事務官、地方事務官として各県で勤務し、富山県や埼玉県では地方課長としての職を歴任しました。戦後は東北地方行政事務局の部長、宮城県経済部長、大阪管区経済調査庁物資課長等、多岐にわたる役職をこなしました。

特に1963年12月には行政管理庁の行政管理局長に就任し、その後1964年に退官しました。退官後は、日本電気の顧問、阪神外貿埠頭公団の監事、さらには日本大学で講師としての役割も果たしました。

学問分野での業績

石川は官僚としての業務に加えて、歴史学にも興味を持ち、研究活動を精力的に行いました。 1959年には『生野銀山と生野代官』の著作で日経・経済図書文化賞を受賞し、また1962年には「生野代官を中心として観た江戸時代代官制度の研究」により京都大学から法学博士号を授与されました。

彼が特に注力したのは、国家総動員計画に関連する資料の収集です。彼の手によって『国家総動員史』という全13巻からなる大作が刊行され、日本の戦争体制についての理解を深めるための重要な資料集となっています。また、彼はこの分野においての記録を整理し、後世に残すことを使命として捉えていました。

主な著作

以下に、石川准吉の主な著作を挙げます。

• - 『生野銀山と生野代官 生野代官より勘定奉行に対する禀伺とその回答』（1959年、日本工業新聞社）
• - 『綜合国策と教育改革案 内閣審議会・内閣調査局記録』（1962年、清水書院）
• - 『江戸時代代官制度の研究 生野代官を中心として観た』（1963年、日本学術振興会）
• - 『国家総動員史 資料編』全10巻および別巻（1975-1982年、国家総動員史刊行会）
• - 『国家総動員史』上巻、下巻（1983年、1987年、国家総動員史刊行会）

また、彼はフランシスク・コワニェの著作を翻訳し公表しています。

まとめ

石川準吉の生涯は、日本の行政と歴史に対する深い関心とその実践に捧げられたものでした。彼の業績は戦後日本の制度や史観に大きな影響を及ぼし、多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索