石川経夫

石川経夫 - 経済学者としての歩み

石川経夫（いしかわ つねお、1947年3月11日 - 1998年6月26日）は、所得分配論を専門とした日本の経済学者です。彼の業績は現在も多くの研究者に影響を与え続けています。石川は神奈川県の鎌倉市で生まれ、東京都で育ちました。

学歴とキャリア

東京教育大学附属高等学校を経て、1969年に東京大学経済学部を卒業しました。卒業後、同年9月にはジョンズ・ホプキンス大学大学院に進学し、経済学の学びを深めました。彼は同大学院で経済学者の橘木俊詔と親しい友人関係を築きました。1972年11月、ジョンズ・ホプキンス大学から経済学博士（Ph.D.）の学位を取得し、1973年2月には著名な経済学者ケネス・アロー教授に招聘され、ハーバード大学の助[[教授]]に就任しました。

その後、東京大学助[[教授]]を経て、1988年には東京大学経済学部の教授に就任しました。また、同大学の第24代総長である有馬朗人の下で総長補佐を務めるなど、多才な活動も展開しました。1998年に51歳の若さでこの世を去りましたが、彼の学問的な遺産は今なお多くの人に引き継がれています。

石川経夫基金と石川賞

石川の死後、彼を偲ぶ関係者や教え子たちの募金により「石川経夫基金」が設立されました。この基金は、彼の業績を広く紹介するための事業を行っており、石川の考えを生かした経済学研究の支援を目的としています。また、日本経済学会に対しても寄付を行い、石川と縁の深い分野での経済学に関する貢献に対して賞を設けることを提案しました。この提案は2004年9月の同学会の総会で受け入れられ、「日本経済学会・石川賞」として毎年選考と授与が行われています。

主な著作

石川経夫は多くの著作を残しており、著書には以下のようなものがあります。

• - 『所得と富』 （岩波書店、1991年）
• - 『分配の経済学』 （東京大学出版会、1999年）
• - 『INCOME DISTRIBUTION THEORY』 （東京大学出版会、2001年）

また、編集や共編著にも多数関与しています。

• - 編著：『日本の所得と富の分配』 （東京大学出版会、1994年）
• - 共編著：『日本経済研究』 （東京大学出版会、1988年、岩田規久男との共著）
• - 共著：『社会の現実と経済学』 （岩波書店、1994年、宇沢弘文、佐和隆光、宮本憲一、内橋克人との共著）
• - 翻訳：『貨幣の理論』 （J・ニーハンス編、東京大学出版会、1980年）

石川経夫の研究や著作は、現代の経済学科における重要な基盤となっており、彼の業績は今後も多くの研究者に影響を与え続けることでしょう。

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