石巻神社

石巻神社について

愛知県豊橋市の石巻町に位置する石巻神社（いしまきじんじゃ）は、古代からの信仰が息づく神社です。式内社であり、旧社格は郷社、三河国四宮と位置づけられています。創建時期は明確ではありませんが、孝安天皇または推古天皇の時代に創建されたとの伝承があります。特にこの神社は、石巻山自体が信仰の対象とされており、かつてはこの山が地域の守り神として崇められていました。

神社の歴史

石巻神社は、吉田城の鬼門にあたることから、吉田城を築城した後、歴代の城主たちからも熱心に信仰されてきました。そのため、この神社は地域の歴史とも深い関わりを持っています。神社は、石巻山の中腹に位置する奥宮（上神社）と、山里にある里宮（下神社）に分かれており、それぞれ異なる祭りが行われています。奥宮では「管粥祭」が、里宮では「鬼祭」が執り行われ、地域住民の重要な伝統行事となっています。

祭神

石巻神社の祭神は大己貴命（おおなむちのみこと）で、農業や商業の神とされる存在です。大己貴命は地域の人々にとって重要な神であり、彼を通じて豊穣や繁栄を願う声が神社に集まります。

祭りの詳細

管粥祭（くだがゆまつり）

この神事は旧暦1月15日（新暦では2月上旬）に行われ、石巻神社の奥宮において農作物の豊凶を占うもので、地域の農業にとって欠かせない行事です。祭りでは、神主が祝詞を読み上げ、火を起こして粥を炊きます。沸騰した粥に18本の葦の管を入れ、榊の枝でかき混ぜた後、約1時間置いてから管を取り出し、その状態から豊凶を占うという独特の方法が用いられます。

鬼祭（おにまつり）

毎年4月の第1日曜日には、里宮で「鬼祭」が行われます。この祭りは「粽（ちまき）祭り」や「どぶろく祭り」とも称され、源頼朝の病気回復に感謝するお礼の祭りとして始まりました。ここでは、参拝者にちまきやどぶろくが振舞われます。この祭りの主役である黒鬼と赤鬼は神の化身とされ、境内で大いに暴れ回ります。参拝者に向けて「タンキリ飴」が入った白い粉をまき散らし、この粉を浴びることで健康が保たれるとの伝承があります。鬼から逃げるのが上手くいかないと、一斗缶から大量の粉を頭から浴びてしまうこともあるので注意が必要です。

アクセス

石巻神社に行く際は、JR東海道本線、飯田線、名鉄名古屋本線が通る豊橋駅から、豊鉄バスの豊橋和田辻線に乗り、「石巻登山口」で下車するのが便利です。

このように、石巻神社は地域の歴史や文化を色濃く反映した神社であり、今も多くの人々が訪れる信仰の場としての役割を果たしています。

もう一度検索