石廊崎ジャングルパーク

石廊崎ジャングルパークの歴史と影響

概要

石廊崎ジャングルパークは、かつて静岡県賀茂郡南伊豆町で運営されていた熱帯動植物園で、1969年に開園しました。この施設は、鹿児島の岩崎産業によって開発され、全国各地の自然景観を楽しむ場としての意義を持っていました。約12,000平方メートルの温室は東洋一の規模を誇り、3万本以上の熱帯植物が育てられていました。また、数種類の動物や淡水魚も飼育されており、伊豆観光の重要なスポットとなっていました。

開園からの発展

石廊崎ジャングルパークは、1969年の開園直後から多くの観光客を惹きつけました。特に1973年度には57万人が訪れるピークを迎え、さまざまなイベントが行われていました。例えば、夏季には外国産の昆虫を展示する「南の国の昆虫展」が開催され、訪れる人々に新しい体験を提供していました。さらに、1993年には国内初のココヤシの実が温室内で実るというニュースもあり、多くのメディアで取り上げられるなど、話題を集めました。

閉園の背景

しかし、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、伊豆半島沖地震や海外旅行の普及、経済不況が影響を及ぼし、入園者数が減少しました。2002年度には入園者数が10万4,000人まで減少し、経営難が表面化しました。岩崎産業は、「鑑賞型から体験型施設」への転換を試みましたが、うまくいかず、最終的には2003年9月30日をもって閉園することとなりました。閉園時の従業員数はおよそ20人でした。

閉園後の動き

閉園後も、南伊豆町は観光地石廊崎の活性化を図るため、約117ヘクタールの跡地買収を試みましたが、岩崎産業との交渉は難航しました。岩崎産業側は高額な価格を提示し、買収計画は結局頓挫しました。そのため、町は跡地の管理を岩崎産業に移譲するとともに、周囲の観光にも影響を及ぼすこととなりました。特に灯台への通行が困難になったことで、訪問者数がさらに減少する結果となりました。

新たな再開発

2019年4月1日、南伊豆町は跡地の再開発に成功し、『石廊崎オーシャンパーク』として新たに開業しました。この施設にはジオパークビジターセンターが併設され、観光者にとって利便性の高い駐車場も設けられました。これにより、以前は徒歩15分を要していた石廊崎灯台へのアクセスが大幅に改善され、訪れる人々に新たな魅力を提供することとなりました。初年度の来場者数は目標を大きく上回り、特に新婚旅行客やリピーターが多く訪れ、賑わいを見せました。

まとめ

石廊崎ジャングルパークの歴史は、熱帯動植物園としての役割だけでなく、地域経済や観光における影響も大きいものでした。閉園後の再開発は成功し、南伊豆町の新たな観光スポットとして注目を集めています。引き続き地域の魅力を発信しつつ、観光資源を活用した発展を期待したいものです。

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