石楯尾神社

石楯尾神社について

石楯尾神社（いわたておのじんじゃ）は、神奈川県相模原市緑区名倉に鎮座する神社で、延喜式神名帳に記載された由緒ある神社です。この神社は小社に分類され、もともとは高座郡に属していました。境内には推定樹齢400年を超える二本杉があり、神奈川県の天然記念物に指定されています。「名倉の権現さま」と親しまれています。

設置場所

石楯尾神社は、相模川の右岸に位置する津久井地域にあり、愛甲郡からの歴史的な名所のひとつとされています。この地域は中世には「奥三保」として知られており、高座郡の中でも特殊な位置にありました。古い文書は室町時代の火災で失われてしまったため、神社に関する記録は現存しませんが、多くの信仰を集めてきました。神社にまつわる関連社は神奈川県内に多く存在し、多様な信仰の場としての役割を果たしています。

歴史と構造

創建の伝説によると、神社は元々異なる場所に鎮座していたと言われています。延喜式によれば、神社の設置位置はかつての高座郡の圏外にあり、現代の境内と異なる可能性があります。この地域には「エボシ岩」という信仰対象の岩が存在しており、絵に描かれた風景ではこの岩が中心として信仰されていましたが、後の中央本線の工事によって取り壊されてしまいました。

応神天皇にちなんで建設された社殿は、永禄12年（1569年）に火災に見舞われて大きな損害を受け、その後新たに享保9年（1724年）に建築されました。このように、石楯尾神社は何度もの困難を乗り越えながら、長年にわたり地域の信仰の象徴として親しまれています。

祭神と祭礼

この神社では多くの神々が祭られています。主祭神には石楯尾大神や、日本武尊、菊理姫神などが含まれています。年間を通じて行われる祭礼は、節分祭や春季大祭、例大祭、秋季大祭など、地域の人々にとって重要なイベントとなっています。特に月次祭は毎月1日に行われ、多くの人々が訪れます。

アクセス

交通手段としては、JR中央本線の藤野駅から富士急バスの「名倉循環線」を利用し「名倉」下車、徒歩で約13分の距離にあります。また、徒歩でのアクセスも可能ですが、時間に余裕を持った訪問がおすすめです。

境内が広がるこの神社では、神聖な空間で心を落ち着けることができ、自然の美しさを感じながら多くの参拝者が訪れます。神社の祭神への祈りを通じて、地域住民からの信愛が歴史の中で育まれています。石楯尾神社は、訪れる人々にとって安らぎの場所であり、信仰の伝承が受け継がれてきた貴重な文化遺産です。

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