石炭の歴史村

石炭の歴史村

「石炭の歴史村」は、北海道夕張市に位置するテーマパークで、広大な夕張炭鉱の跡地を利用しています。この施設は、かつての石炭産業を中心に地域資源を観光に生かすというビジョンのもと、1978年に建設が始まりました。主なコンセプトは「炭鉱から観光へ」で、訪れる人々に過去の炭鉱の生活や歴史を伝えることを目的としています。

歴史的背景

1977年、北炭夕張炭鉱が閉山すると、当時の夕張市助役・中田鉄治はこの地域の活性化を目指して「炭鉱から観光へ」というスローガンを掲げ、事業をスタート。1978年の着工から約5年後の1983年には、遊園地や博物館を含む全面開園を達成しました。中田は1999年まで市長としてこのプロジェクトに関与し、地域の観光振興に寄与しました。

設備とアトラクション

施設内には、「夕張市石炭博物館」や「炭鉱生活館」、「石炭大露頭」といった歴史的展示が充実しています。これらの展示は炭鉱の生の姿を再現したもので、訪問者に貴重な体験を提供します。また、遊園地「アドベンチャー・ファミリー」も併設されており、大観覧車やジェットコースターなど、多彩なアトラクションが楽しめました。

しかし、2006年、夕張市が財政再建団体となった影響で、「石炭の歴史村観光」は破産を余儀なくされ、遊園地は閉鎖されました。これに対して、2007年には加森観光が指定管理者として再開。2018年にはリニューアルオープンを果たしましたが、遊園地は再開されず、さらに2019年には模擬坑道で火災が発生する等、様々な困難に見舞われています。

現在の運営

現在、「石炭の歴史村」はNPO法人「炭鉱（ヤマ）の記憶推進事業団」によって運営されており、歴史的価値を持つこの施設を存続させるために取り組みが続けられています。入場料は大人720円、子供440円で、夕張市民は無料で入館できるため、地域住民にも愛される場所となっています。

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