石田慶和

石田慶和（いしだ よしかず）氏は、1928年11月に京都府で生まれた、日本の高名な哲学者であり宗教学者です。

学びの道のり

戦後の混乱期を経て、石田氏は1949年に旧制第三高等学校を卒業しました。その後、京都大学文学部へと進学し、哲学科で宗教学を専攻。ここで専門分野の基礎を築き、1953年に学部を卒業しました。さらなる研鑽を積むため、京都大学大学院哲学研究科に進学。1959年にその課程を修了し、研究者としての道を歩み始めます。

研究・教育者としての歩み

大学院修了後、石田氏はまず京都女子大学の教授に就任し、教育者としてのキャリアをスタートさせました。後に龍谷大学へ移り、長年にわたり同学で教鞭を執ることとなります。龍谷大学在職中には、文学部長や大学院文学研究科長といった要職も歴任し、教育・研究機関の運営にも深く関わりました。

石田氏の研究活動における重要な一歩は、1976年に京都大学へ提出した学位論文『信楽の論理』によって文学博士号を取得したことです。この論文は、その後の氏の研究の方向性を示すものとなりました。1997年に龍谷大学を退任し、名誉教授の称号を得ています。同年には、浄土真宗本願寺派教学研究所の所長にも就任し、宗派の教学振興に貢献しました。

仁愛大学初代学長として

2001年には、新設された仁愛大学の初代学長に迎えられました。新しい教育機関の立ち上げと発展に尽力し、その礎を築くという重要な役割を果たしています。

主な研究テーマ

石田氏の研究は、特に親鸞思想の宗教哲学的解明に焦点を当てています。浄土真宗の開祖である親鸞の思想を、単なる教義としてではなく、人間の存在や信仰の根源に関わる哲学的・宗教学的な問いとして深く掘り下げました。その思索は、多くの研究者や学生に影響を与えています。

主な著作（共編著）

石田氏は単著に加え、共編著としても多くの重要な研究成果を残しています。以下はその一部です。

『宗教学を学ぶ人のために』（薗田坦と共編著、世界思想社 1989年）
『親鸞』(浄土仏教の思想 9)（武内義範共著、講談社 1991年）
『西谷宗教哲学概論』（編、東西宗教研究）
『武内義範著作集』(全5巻)（編、法蔵館、1999年）
『報恩講に想う』（三井好子共著、本願寺出版社 1999年）
『『歎異抄』のあじわい：第一条、第二条、第四条より』（梯実円共著、自照社出版 2007年）

これらの著作は、宗教学、仏教学、哲学といった多岐にわたる分野において、石田氏の深い学識と洞察を示すものです。親鸞思想研究をはじめとする氏の業績は、日本の宗教学・哲学史において重要な位置を占めています。

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