報恩講

報恩講：浄土真宗における重要な法要

報恩講は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人の祥月命日を前に、または後に営まれる重要な法要です。阿弥陀如来と親鸞聖人への感謝と報恩の思いを込めて行われ、浄土真宗の信徒にとって一年で最も重要な行事の一つと言えるでしょう。

報恩講の起源と歴史

報恩講の起源は、本願寺三世覚如が親鸞聖人の三十三回忌に『報恩講私記（式）』を著したことに遡るとされています。以来、時代を経て現在まで、多くの信徒によって受け継がれ、広く行われるようになりました。本願寺で行われる報恩講では、法話や信徒による信仰告白（感話）があり、僧侶による批評（改悔批判）が行われることもあります。

報恩講の種類と日程

報恩講には、大きく分けて以下の種類があります。

御正忌報恩講: 各宗派の本山寺院で営まれる報恩講で、親鸞聖人の祥月命日を結願日として一週間程度に渡って行われます。荘厳な儀式と格式高い法要が特徴です。
お取越（お引上）: 別院、末寺、一般寺院などで営まれる報恩講。御正忌報恩講の日程とは前後ずれて、1～3日、もしくは5日間行われます。信徒は自宅の仏壇の前でも、所属寺院の住職を招いて報恩講を行うことができます。

日程は宗派によって異なり、旧暦の日付を基に新暦に換算した日付、もしくは旧暦の日付のまま行われるため、日付に違いが生じています。主な宗派の日程は以下の通りです。

浄土真宗本願寺派（お西）、真宗高田派：1月9日～16日
真宗浄興寺派：10月25日～28日
真宗大谷派（お東）、真宗佛光寺派、真宗興正派、真宗木辺派、真宗出雲路派、真宗誠照寺派、真宗三門徒派、真宗山元派：11月21日～28日
浄土真宗東本願寺派：11月23日～28日

すべての僧侶と門徒が御正忌報恩講期間中に本山へ参拝することが慣例となっているため、各寺院の日程がずれているのです。

遠忌法要

親鸞聖人の50回忌ごとに営まれる大規模な法要を「遠忌法要」と呼びます。テーマや理念を掲げ、記念事業なども行われ、盛大に執り行われます。例えば、750回忌などでは大規模な記念事業が企画されることもあります。

報恩講に関連する事柄

報恩講に関連する行事食として、御講汁、いとこ煮、煮ごめなどが知られています。また、報恩講で用いられる音楽である坂東曲も重要な要素です。

まとめ

報恩講は、浄土真宗における中心的な法要であり、阿弥陀如来と親鸞聖人への深い感謝の念を表す大切な行事です。宗派や寺院によって日程や形式に違いはあれど、その精神は共通し、多くの信徒によって大切に受け継がれています。

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