石田茂作

石田茂作 - 日本の仏教考古学者

概要

石田茂作（いしだ もさく、1894年11月10日 - 1977年8月10日）は、日本の著名な仏教考古学者であり、文化財の調査と保護において大きな功績を残しました。彼は文学博士として、特に飛鳥時代の寺院址に関する研究を通じて、学術的な業績を築きました。また、奈良国立博物館の初代館長として、その教育および研究活動の発展にも寄与しました。

略歴

石田は愛知県の碧海郡矢作町で生まれました。初等教育を経て、愛知県立第二中学校（後の愛知県立岡崎高等学校）に進学しました。1918年に東京高等師範学校を卒業後、愛知第二師範学校で教職に就きました。その後、東京高等師範学校の専攻科を卒業し、1925年には東京帝室博物館で働き始めました。1957年から1965年には奈良国立博物館の館長を務め、文化財保護委員会の委員なども歴任しました。1941年には、「飛鳥時代寺院址の研究」により東京帝国大学から文学博士の学位を取得しました。1977年、肺炎により82歳で他界しました。

主要な業績

石田の業績は、特に法隆寺の発掘調査において際立っています。1939年には、法隆寺内の巨大な塔心礎が別の寺院の遺跡であることを発見し、法隆寺再建説を確定させました。この調査は、その後の奈良文化財研究所の発掘調査においても重要な役割を果たし、彼の見解が証明されました。

また、石田は飛鳥時代や奈良時代の寺院伽藍の形式を分類し、飛鳥寺式、四天王寺式、法隆寺式、法起寺式、東大寺式などの名称を確立しました。これにより、後の研究者たちにとって非常に助けとなる基準を提供しました。また、彼は仏教遺物や遺跡を対象とした新たな考古学的アプローチを提唱しました。

第二次世界大戦中、石田はアメリカの学者に対して、日本の文化的建造物が集中している京都と奈良への爆撃を避けるよう訴えました。戦争のさなかにあっても、彼は文化遺産の保護を求めて尽力しました。1953年には弥勒寺跡の発掘調査を行い、郷里である岡崎でも北野廃寺跡の調査研究を進めました。

受賞歴

石田の学問の成果は多くの賞賛を受けました。1957年には中日文化賞を、1964年には朝日文化賞を受賞しました。1967年には勲二等瑞宝章を授与され、1974年には文化功労者として表彰されました。さらに、1977年には従三位勲二等旭日重光章を受章し、その業績が広く認知されました。

著書および共著

彼はまた、多くの記念著作にも寄与しており、1964年には「瓦礫洞古玩録」を編纂し、さらに1976年には「秋田県の紀年遺物」に関する著作も出版されました。これらの資料は、彼の業績を後世に伝える重要な役割を果たしています。

結論

石田茂作は、日本の仏教考古学の分野で確固たる地位を築いた学者であり、彼の努力と提案は今でも考古学の研究者たちに影響を与え続けています。彼の遺した業績は、文化財を守るための基盤となり、後の世代へと受け継がれています。

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