石神啓吾

石神 啓吾

石神 啓吾（いしがみ けいご）は、明治40年（1907年）8月31日に生を受け、平成13年（2001年）8月21日に93年の生涯を閉じた、昭和期の日本において政治家として活動した人物です。

故郷は宮崎県東諸県郡高岡村（後に高岡町、現在は宮崎市の一部となっています）。教育者であった石神徳蔵氏の息子として、この地に生まれました。学業では、まず旧制宮崎県立都城中学校で学び、その後、第七高等学校造士館に進学し、知見を深めました。この高等教育機関での学びは、後の彼の人生、特に政治の道を進む上での重要な礎となったと考えられます。

政界への第一歩は、地方政治からでした。宮崎県会議員に選出され、県政に携わることとなります。さらに、同県会の参事会員としてもその職責を果たし、地方自治の現場で経験を積み重ねました。この県議会議員としての活動を通じて、地域社会の課題や人々の声に触れ、政治家としての基盤を築いたと言えるでしょう。

第二次世界大戦後、日本の政治体制が大きく転換期を迎える中で、石神氏は国政への挑戦を決意します。昭和21年（1946年）4月に実施された第22回衆議院議員総選挙において、宮崎県全県区から日本社会党の公認候補として立候補しました。しかし、この時は当選には至らず、国政進出は叶いませんでした。

しかし、翌昭和22年（1947年）4月に行われた第23回衆議院議員総選挙では、選挙区が変更された宮崎県第2区から再び出馬します。この度の選挙では見事当選を果たし、念願の衆議院議員としての議席を獲得しました。これにより、石神氏は日本の国政の舞台で活動することとなり、一期にわたって衆議院議員を務めました。

衆議院議員としての一期の任期を終えた後、昭和24年（1949年）1月の第24回衆議院議員総選挙にも再度立候補しましたが、残念ながらこの選挙では再び落選という結果に終わりました。これにより、国政における活動は一期のみとなりました。

国政を離れた後も、石神氏は故郷である高岡町のために尽力しました。高岡町の町長として、地域行政の舵取りを担い、町の発展のために力を尽くしました。また、教育分野にも深い関心を持ち、高岡町の教育委員長も務め、次世代の育成にも貢献しました。地方政治家として、長年にわたり地域社会に根ざした活動を続けました。

平成13年（2001年）8月21日、93歳でその波乱に富んだ生涯を閉じました。その死没日をもって、これまでの功績に対し、勲四等瑞宝章が追贈され、また従五位に叙せられました。石神啓吾氏は、宮崎県の地方政治から国政に至るまで、様々な立場で公共のために尽力した人物として、その足跡を残しています。

もう一度検索