石背国造

石背国造について

石背国造（いわせのくにのみやつこ）は、古代の日本において、令制国の陸奥国に属する石背郡（現在の福島県須賀川市岩瀬地区付近）を支配したとされる国造です。この地域には、古代に石背国という国が存在していたと考えられています。

概要

石背国造は、地方豪族としてこの地を治めていました。国造とは、ヤマト王権が地方の豪族を任命したもので、その地域を統治する役割を担っていました。石背国造は、この地域における政治、経済、文化の中心的な存在であったと考えられます。

祖先

『先代旧事本紀』の「国造本紀」によると、石背国造の初代は、成務天皇の時代に建許侶命（たけころのみこと）の子である建彌依米命（たけみよりめのみこと）が任命されたとされています。このことから、石背国造の歴史は、少なくとも成務天皇の時代まで遡ることができると考えられます。

氏族

石背国造の氏族は、吉弥侯部氏（きみこべうじ）とされています。この氏族は、古代には姓を持たない氏族であったと考えられていますが、『日本三代実録』には、貞観5年（863年）に吉弥侯部豊野が陸奥磐瀬朝臣の姓を賜ったという記録が残っています。このことから、吉弥侯部氏は、後に朝廷から姓を賜り、磐瀬朝臣として歴史に名を残したことがわかります。

氏神など

石背国造に関連する神社は、以下の通りです。

神炊館神社（おたきやじんじゃ）
建彌依米命が自ら祭った祠が起源と伝えられています。
祖である建許呂命と建彌依米命を祀っています。
社名は、建彌依米命が新穀を炊いて神前に供えたことに由来するとされています。
須賀川市内に二社存在し、東北自動車道須賀川インターチェンジ北の須賀川市新町に鎮座する神社が古い社とされています。
東北本線東側の須賀川市諏訪町に鎮座する同名の社は、諏訪町へ遷宮した後の新しい社で、二階堂為氏が信濃国諏訪大社から勧請した建御名方命なども祀られています。
石背国造神社（いわせくにつこじんじゃ）
建彌依米命を祀っています。
国造の子孫が祭祀の職を世襲したと伝えられています。
福島県須賀川市長沼豊町に鎮座しています。
白方神社
建彌依米命が河内国枚岡神社を勧請したと伝えられています。
福島県須賀川市今泉に鎮座しています。
石背国造の子孫である吉田家が社家を務め、「石背国造系図」を伝えています。

これらの神社は、石背国造の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。特に、神炊館神社は、石背国造の始まりと深く関わっており、石背国造を研究する上で重要な手がかりとなります。

脚注

石背国造に関する情報は、主に『先代旧事本紀』や『日本三代実録』などの古代の文献に記録されています。これらの文献を読み解くことで、石背国造の歴史や文化をより深く理解することができます。

関連項目

国造の一覧
長沼町
長沼城
建許呂命
桙衝神社

外部リンク

石背国造神社
* 長沼の伝説

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