石附周行

石附周行（いしづき しゅうこう）

日本の著名な僧侶であり、曹洞宗の最高指導者である管長を務める石附周行氏は、1937年（昭和12年）5月21日に群馬県安中市に生を受けました。長年にわたり、曹洞宗の発展と後進の育成に尽力してきた人物です。

経歴

石附氏は、郷里である群馬県安中市で誕生し、仏道を歩み始めました。1966年（昭和41年）には、宗泉寺の住職（晋住）となり、地域社会における信仰の拠点としての寺院を運営する役割を担いました。その後、同じく群馬県内の雙林寺の住職も務め、精力的に活動を展開しました。

宗門における活動は寺院運営に留まらず、より広範な分野へと広がっていきます。1989年（平成元年）には曹洞宗宗議会の議員に選出され、宗門全体の意思決定に関わるようになりました。さらに1993年（平成5年）には、宗門の布教や教育活動を統括する重要な役職である伝道部長に就任し、宗門の教えを広め、人材を育成するための施策を推進しました。

1996年（平成8年）、宗議会議員を辞任すると同時に、石附氏は修行道場としても知られる最乗寺（福井県）の住職に就任しました。さらに、同寺に併設されている専門僧堂では、将来の僧侶を育成するための指導者として、堂長および禅の実践を指導する師家という重責を担うことになりました。ここでは、厳しい修行を通じて多くの僧侶の育成に力を注ぎました。

宗門内での経験と実績を積み重ねた石附氏は、2011年（平成23年）には、曹洞宗の大本山の一つである總持寺（神奈川県横浜市）の副貫首に任命されました。大本山での要職は、宗門全体における影響力と責任の大きさを物語っています。

そして、2022年（令和4年）1月21日、石附氏は曹洞宗の最高位である管長に推戴されました。管長は、日本全国および海外に広がる曹洞宗寺院約1万4500ヶ寺、僧侶約3万人の代表者であり、宗門の精神的支柱として、その運営全般を統括する立場にあります。管長就任は、長年の宗門への貢献と、国内外からの厚い信望を示すものです。

主な著書

石附氏は、宗門の運営や実践、教学研究にも貢献しており、複数の著作を刊行しています。主に共著によるものが多く、宗門内外の研究者や実務家との共同作業を通じて、曹洞宗に関する様々なテーマを探求しています。

『曹洞宗諸学実践事典―寺院の法律・税務対策から仏教カウンセリングまで』（共著：小倉玄照、四季社、2007年）
寺院運営に関する実務的な知識から、現代社会における仏教の役割までを網羅した事典です。
『曹洞宗祈祷大系』全3巻（共著：高木祐之、四季社、2003年）
曹洞宗における祈祷の歴史、理論、実践について詳細に論じた体系的な研究書です。
* 『曹洞宗後継者育成実践講座』（共著：大田大穣、高崎直道、中野東禅、四季社、2001年）
宗門の将来を担う若い僧侶を育成するための具体的な方法論や心構えについて述べられています。

これらの著作は、石附氏が宗門の教学、修行、運営、そして未来への展望といった多岐にわたる分野に関心を寄せ、貢献してきたことを示しています。住職としての地域活動から始まり、宗門の要職、修行道場の指導者、そして最高位である管長に至るまで、石附周行氏はその生涯を曹洞宗の興隆と仏道の探求に捧げています。

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