研究会 (貴族院)

研究会の歴史とその影響力

研究会（けんきゅうかい）は、かつて大日本帝国憲法の下で貴族院に存在した政党であり、重要な政治的役割を果たした団体である。元々は1890年に誕生した政務研究会が源流であり、以降、貴族院の最大会派として衆議院の政党勢力に対抗し、場合によっては協力関係を築いていった。

創設と発展

研究会の起源は、帝国議会の設立に伴う前年の1890年に遡る。当時の子爵議員たちが中心となり、政策研究や懇親を目的とした団体として結成された。その後、木曜会、同志会といった名称変更を経て、1891年には正式に約40名で発足し、次第にその規模を拡大していった。特に清浦奎吾などの影響力のある議員が加入し、研究会は急成長を遂げた。1892年には尚友会を設立し、選挙活動を支援しながら、さらなる議席獲得を目指した。

研究会では、実権を持つ議員たちが安定して議席を占めることに成功し、初期の改選では数々の議席を獲得することができた。これにより、貴族院における最大勢力としての地位を確立するに至った。森田対策の根底には、内務省や司法省での経験豊富な人脈があった。

政治的路線と内部分裂

研究会は、山県有朋の側近である清浦奎吾の指導のもとで、超然主義を推進し、政党政治には反対する姿勢を貫いた。政務の中で彼らは、他の政党に対して敵対的な行動を取ることもあり、時には政府提案の法案を否決することで政権の崩壊を促す役割を果たした。

しかし、党内では主導権を巡る争いも発生した。特に、平田東助が率いる茶話会との対立が生じ、清浦が設定した厳格な会派の結束を求める方針に対する反発が強まり、離脱者が続出した。このような内紛によって、研究会の統制が揺らぐ事態に陥った。

再編成と新たな展開

1918年に発足した第1次山本内閣後、清浦奎吾が外交において重要な役割を果たしつつ、政党の枠組みを再編成する必要性が生じた。政友会との連携を強化し、会派の合併を進めることで勢力拡大を図った。実際、研究会は他の貴族院会派の議員を取り込み、さらなる膨張を試みた。

1924年に清浦内閣が発足し、この内閣では閣僚の多くが研究会から選出され、「研究会内閣」とも呼ばれた。しかし、この支配的地位に対する反発が高まり、議会における権力の集中が問題視された。特に護憲運動による圧力も影響し、内閣は短期間で崩壊を余儀なくされた。

結末と影響

その後も研究会は貴族院の主要な勢力として存在し続けたが、有能な政治指導者を欠くことで、その政治的影響力を次第に失っていった。最終的に1947年には日本国憲法の制定によって貴族院が廃止されると、研究会も解散を迎えた。解散時には、研究会は142議席を占めており、その存在感を示していた。

研究会の影響は、後の自由民主党につながり、政治の流れにおいて重要な役割を担った。歴史的に見ても、研究会は日本の政治において重大な意義を持つ団体であったことに変わりはない。

もう一度検索