砥山 (札幌市)

砥山（とやま）

砥山は、北海道札幌市南区に位置する地域です。豊平川の左岸（北岸）に広がり、観音岩山（通称: 八剣山）を境界として、西側を上砥山、東側を下砥山と区分しています。

地名の由来

この地名の起源は、付近で良質な水成岩の砥石が採取できたことに由来します。この地域一帯は、地質学的な見地からも貴重であり、地質巡検の適地として広く知られています。

歴史

砥山の歴史は、1945年（昭和20年）まで帝室林野局が管理する御料地であった時代に遡ります。1899年（明治32年）に農耕地としての貸し付けが開始され、小作人の募集が行われました。その結果、丘珠や雁来といった地域から8戸の入植者がこの地に移り住みました。

しかしながら、砥山は農耕に適した平坦な土地が少なく、土壌も肥沃とは言えませんでした。そのため、入植者たちは共同で生活基盤を築き、協力して開墾作業を進める必要がありました。

また、当時の砥山は交通の便が非常に悪い地域でした。入植当初の上砥山では、収穫された作物を背負い、観音岩山の裏側を迂回して出荷していました。その後、共同で豊平川に針金を張り、渡し舟を使って作物を搬出するようになりました。一方、下砥山では、1901年（明治34年）に山の一部を爆破し、馬が通行できる道を切り開きました。こうして、一旦共同小屋に作物を集積してから、札幌の市場へと運んでいました。1914年（大正3年）には、馬車が通行できるように道幅が拡張され、輸送事情は改善されました。

1925年（大正14年）には、農地が払い下げられ、入植者たちの民有地となりました。

施設

砥山には、以下の施設があります。

北海道大学理学部附属地震観測所
八剣山ワイナリー
八剣山果樹園
上砥山神社
砥山発電所

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1
前田寿嗣『歩こう！札幌の地形と地質』北海道新聞社、2007年5月10日。ISBN 978-4-89453-410-0。

外部リンク

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