破れ傘刀舟悪人狩り
『破れ傘刀舟悪人狩り』は
1974年から
1977年まで放送されたテレビ
時代劇で、全131話から成ります。この作品は
江戸時代の
天保期を背景に、主人公である叶刀舟の奮闘を描いた物語です。刀舟は長崎で
医学を学び、貧しい町人たちの心強い味方として活躍します。
物語の舞台
物語の舞台は、
江戸の郊外に位置する千住宿の端にある瑞光院と呼ばれるボロ寺です。この寺は通称「棺桶寺」として知られる場所で、主人公が外科医として診療を行っています。刀舟は、普段はこの寺で診療をしますが、必要に応じて周辺を巡回することも多いのです。
主人公 叶刀舟
主人公の叶刀舟は、
蘭学医として高い医術を誇り、特に外科手術に優れています。彼は酒好きであり、診療の合間に飲酒を楽しむ姿がよく描かれます。貧しい町人や農民たちには治療費を求めず、時には患者から酒や食料を受け取ることもある一方、裕福な家の患者には相応の治療費を請求することがあります。
刀舟は義理人情に厚く、特に子供たちに対して優しい一面を持ち、壊れた玩具を修理したり、自作の玩具をプレゼントすることもあります。医師としての自覚は強く、酔っ払っていても病人に遭遇すると医者としての責任を果たすのです。彼は剣術の達人でもあり、
無外流の技を使います。
刀舟の怒り
物語では、権力者や悪人たちが民を理不尽に扱う場面が頻繁に描かれます。この時、刀舟は激しい怒りを表し、悪人たちに直面し、「やかましいや!この野郎!」と声を荒げていく場面が特に印象的です。時には仁王立ちして相手に果敢に戦いを挑み、容赦なく悪人たちを斬り倒す描写が特徴です。結末では、悪人たちが全て命を落とすことが多く、視聴者にスッキリ感を提供します。
主なキャラクター
- - 叶刀舟(演:萬屋錦之介): 主人公である蘭学医。酒好きで情に厚い性格。
- - 稲妻のお蘭(演:江波杏子): 公事師で刀舟に密かに恋心を抱く。
- - 仏の半兵衛(演:桂小金治): 瑞光院の寺男で金儲けに目がない人情家。
- - 伊庭弥九郎(演:織田あきら): 刀舟の弟子で剣術の使い手。
- - むっつりお竜(演:ジャネット八田): 言葉が少ない女壺振り師。
制作と放送
このドラマは、NETテレビ(現在の
テレビ朝日)で放送され、視聴者に強い印象を残しています。また、放送後も再放送が行われ、多くのファンに支持され続けています。制作スタッフには、脚本家や監督も多彩で、音楽は
木下忠司が担当しています。
『破れ傘刀舟悪人狩り』は、
時代劇の魅力が詰まった作品であり、主人公の勇気と正義感が視聴者の心を掴む作品です。彼の大酒飲みである一面と、その裏にある正義感との対比が、物語をより深くしています。