破滅の形容詞

アルバム『破滅の形容詞』についての詳細

『破滅の形容詞』（原題：Fugazi）は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンドであるマリリオンが1984年にリリースした、彼らの2枚目のスタジオアルバムです。この作品は、メンバーのイアン・モズレイが新たに加入したことが大きな特徴となっています。

背景

このアルバムは、メンバーのミック・ポインターが脱退した後、アンディ・ウォードという新しいドラマーを迎えて制作が始まりました。彼は元キャメルのドラマーであり、すぐにバンドと共に「ガーデン・パーティ」のミュージック・ビデオを撮影しましたが、ドラムのパートをしっかりと演奏できていなかったため、ジョン・マーターも加入することになりました。1983年のレディング・フェスティバルではウォードがパーカッション、マーターがドラムを担当し、この時の音源は後にボックスセット『Early Stages - The Official Bootleg Box Set 1982-1987』の一部として収録されています。その後、アメリカ人ドラマーのジョナサン・ムーヴァーが参加した後に、最終的にイアン・モズレイが正式メンバーとなりました。

アルバムのタイトル「Fugazi」は、「めちゃくちゃな」というニュアンスを持つ言葉で、フィッシュが読んでいた『NAM 禁じられた戦場の記憶』という書籍に由来していると言われています。これにより、アルバムには深い文化的背景があることが感じられます。

反響・評価

『破滅の形容詞』は、全英アルバムチャートで20週の間チャート圏内に入り、最高5位を記録しました。また、スウェーデンのアルバムチャートでも23位に達し、同国で初めてのトップ40入りを果たします。本作からのシングル「パンチ&ジュディ」は全英シングルチャートで29位に、続くシングル「暗殺者」は22位となりました。

オールミュージックのJohn Franckは、アルバムに対して5点満点中4点を付け、「アレンジは非常に高品質だが、前作と比べると統一感が欠けている」としつつも、楽曲「Assassing」、「Incubus」、そしてタイトル曲はバンドの魅力を引き出していると称賛しました。

収録曲

本アルバムには以下の楽曲が収録されています。特記のない楽曲は、フィッシュ、マーク・ケリー、スティーヴ・ロザリー、ピート・トレワヴァスの共作です。

1. 暗殺者 - "Assassing" - 7:02
2. パンチ&ジュディ - "Punch & Judy" - 3:21
3. ジグソー・パズル - "Jigsaw" - 6:50
4. エメラルド・ライズ - "Emerald Lies" - 5:11
5. 彼女はカメレオン - "She Chameleon" - 6:54
6. 夢魔 - "Incubus" - 8:31
7. フゲィジ - "Fugazi" - 8:02

1998年にリリースされたリマスターCDには以下のボーナストラックが追加されています。

• - "Cinderella Search (12" Version)" - 5:32
• - "Assassing (Alternate Mix)" - 7:41
• - "Three Boats Down from the Candy" - 4:01
• - "Punch & Judy (Demo)" - 3:50
• - "She Chameleon (Demo)" - 6:34
• - "Emerald Lies (Demo)" - 5:32
• - "Incubus (Demo)" - 8:10

参加ミュージシャン

アルバムには以下のミュージシャンが参加しています。

• - フィッシュ - ボーカル
• - スティーヴ・ロザリー - ギター
• - マーク・ケリー - キーボード
• - ピート・トレワヴァス - ベース
• - イアン・モズレイ - ドラムス

また、アディショナル・ミュージシャンとしてクリス・カレンがパーカッション、リンダ・パイクがバックコーラスを担当しました。

このアルバムは、マリリオンのキャリアにおける重要な一歩となり、彼らの音楽的探求の深化を示しています。

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