碓氷第三橋梁

碓氷第三橋梁（めがね橋）：鉄道遺産の魅力

碓氷第三橋梁は、群馬県安中市にある、通称「めがね橋」として知られる美しい煉瓦造りの鉄道橋です。かつて信越本線横川駅 - 軽井沢駅間でアプト式鉄道が走っていた時代に建設され、碓氷峠の象徴的な存在として今もその姿をとどめています。

歴史

1891年に着工し、1893年に竣工しました。設計は、イギリス人技師のパウナルと古川晴一が担当。高崎駅と直江津駅を結ぶ路線の一部として、難工事の末に完成しました。しかし、開業直後から強度不足が指摘され、1894年には大規模な補強工事が行われています。

信越本線の電化後も使用され続けましたが、1963年に新線が建設されたことでアプト式鉄道は廃止。その後は、鉄道遺産として保存され、現在に至ります。

構造と特徴

碓氷川に架かる4連アーチ橋で、全長は91メートル、川底からの高さは31メートル。約200万個の煉瓦が使用されています。現存する煉瓦造りの橋としては国内最大規模を誇り、その美しいアーチ構造は見る者を魅了します。

1993年には「碓氷峠鉄道施設」として、他の橋梁とともに国の重要文化財に指定されました。

アプトの道

現在は、横川駅からめがね橋までの旧線跡が遊歩道「アプトの道」として整備されており、橋上を歩いて渡ることができます。手すりや国道18号へ通じる階段などが整備され、安全に観光を楽しめます。2012年には遊歩道が延伸され、横川駅から旧熊ノ平駅まで、全長5.9kmのコースとなりました。

世界遺産への取り組み

かつては富岡製糸場で生産された生糸を輸送した施設として、ユネスコ世界遺産の候補にもなりましたが、旅客輸送としての用途が強かったため、正式推薦前に候補から除外されました。しかし、安中市は2024年、絹産業とは切り離し「碓氷峠鉄道施設群」として改めて世界遺産を目指す方針を明らかにしています。

アクセス

• - JR横川駅からJRバス関東（碓氷旧道めがね橋経由）軽井沢駅行きに乗車し、約13分。「めがね橋」バス停下車。※季節運行のため、運転日に注意が必要です。
• - JR横川駅から「アプトの道」を経由して徒歩約1時間。

注意点

残念ながら、橋脚の煉瓦には落書きが彫り込まれている箇所も見られます。文化財保護のため、落書きは絶対にやめましょう。

碓氷第三橋梁（めがね橋）は、鉄道ファンならずとも訪れる価値のある観光スポットです。歴史と自然が織りなす美しい景観を、ぜひ体感してみてください。

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