碓氷関所

碓氷関所とは

碓氷関所は、中山道において上野国（現在の群馬県）の松井田宿と坂本宿の間に位置した関所です。江戸時代には、東海道の箱根関所、中山道の福島関所と並び、重要な関所として機能していました。現在、その跡地は群馬県の史跡に指定されています。

関所の歴史

碓氷関所の起源は、平安時代にまで遡ります。醍醐天皇の時代、太政官符によって相模足柄とともに碓氷坂に設けられたとされています。その後、中世には関長原（現在の安中市松井田町横川関長）の近くに仮番所が設置されました。江戸時代に入ると、徳川家康の命により井伊直政が碓氷峠に関所を設置したのが始まりとされています。当初は横川関所と呼ばれていましたが、後に碓氷関所と改称されました。

関所の構造と役割

関所の警備は、安中藩主が代々務めていました。関所は街道の東西に門があり、その間が関所の範囲でした。東門は安中藩、西門は幕府が管理し、「天下門」と呼ばれていました。関所には、番頭、平番、同心、西門番などが勤務し、通行人を取り締まっていました。

関所の検閲

碓氷関所では、中山道の他の関所と同様に、「入鉄砲に出女」の取り締まりを行っていました。特に、江戸から不法に出る女性を監視していましたが、近隣住民には配慮もされていました。

関所破り

碓氷関所を破ろうとした者は、厳しく罰せられました。記録に残るだけでも、多くの者が捕らえられ、処刑されています。

忍び通り

関所を偽装して通行しようとした事例も存在します。例えば、浪人が鷹匠と偽って関所を通過しようとしたものの、見破られて捕縛された事件などが記録されています。

関所の廃止と史跡指定

碓氷関所は、明治時代に入り、1869年に廃止されました。その後、跡地は史跡に指定され、東門が復元されました。現在、域内には碓氷関史料館が設置され、関所の歴史を学ぶことができます。

堂峯番所

坂本宿から碓氷峠に向かう途中には、碓氷関所の遠見番所として堂峯番所がありました。ここでは、出女や乱心者、囚人などの再検察が行われていました。

その他

関所跡には、お辞儀石と呼ばれる、通行人が役人に通行手形を差し出した場所があります。また、毎年5月には関所祭りが開催されます。関所跡へは、JR信越本線横川駅から徒歩5分でアクセスできます。

文化財

おじぎ石：旅人が役人におじきをして通行手形を差し出した場所。

催事

毎年5月第2日曜日、「安政遠足 侍マラソン」が行われる日に、同時に関所祭りが催される。

所在地

群馬県安中市松井田町横川

JR信越本線横川駅から徒歩5分。

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