碧桂園

碧桂園（カントリーガーデン）とは

碧桂園（へきけいえん、英: Country Garden）は、中華人民共和国に本社を置く、大手不動産開発企業です。1992年に創業者の楊国強氏によって設立され、地方都市の開発に注力することで成長を遂げました。

創業と発展

創業当初、碧桂園は不動産開発を主な業務としていましたが、次第に香港の富裕層からの需要が高まり、2007年には香港証券取引所に上場を果たしました。2009年には、リーマンショック後の景気回復策による不動産価格の上昇を追い風に、事業を拡大し莫大な利益を上げ、「第二次創業」と位置づけられるほどの成長を遂げました。

2017年には、契約販売額が5508億元に達するなど、目覚ましい発展を遂げました。経営面では、創業者の楊国強氏が2005年に娘の楊恵妍氏に自社株式の過半数を譲渡し、後継者としての地位を確立しました。2018年には、楊国強氏と楊恵妍氏が共同で会長職に就任しています。

特徴

碧桂園の最大の特徴は、その社名にもあるように、地方都市の開発に特化している点です。2022年には、三線都市、四線都市と呼ばれる地方都市からの収入が全体の6割を占めていました。また、海外プロジェクトにも積極的に進出し、マレーシアのジョホールバル南部にあるイスカンダル開発地区では、人工島「フォレストシティー」の開発を行っています。

経営危機

2020年代に入ると、中国政府による不動産事業への規制強化や、ゼロコロナ政策による経済停滞の影響を受け、中国国内の不動産デベロッパーは経営危機に陥りました。当初、碧桂園は比較的安定した企業と見られていましたが、2022年以降、経営環境は急速に悪化しました。

2023年8月には、ドル建て債の利払いができなくなり、債務不履行の危機に直面。同年1月から6月期の決算では、約490億元という巨額の赤字を計上しました。格付け会社ムーディーズは、碧桂園の信用格付けを大幅に引き下げ、流動性危機への懸念を示しました。

その後、利払い猶予期間の最終日に支払いを行い、一時的に債務不履行を回避しました。また、元建て債の償還を3年間延長する提案を行い、一部の債権者から合意を得るなど、綱渡りの交渉が続けられました。しかし、同年9月には、ドル建て債の利払いが再び滞り、債務不履行が確定しました。

経営再建への模索

経営危機に陥る中、碧桂園は様々な対策を講じています。2023年12月には、会長の楊恵妍氏が「私財を投げうってでも会社を支援する」と表明し、2024年1月には、広州市に保有する多数の不動産の売却を試みるなど、経営の立て直しに奔走しています。

しかし、2024年2月には、債権者から香港の裁判所に碧桂園の清算を求める訴訟が起こされ、経営状況は依然として厳しい状況にあります。2024年3月には、2023年の決算発表を延期し、同社の株取引は一時停止されています。

まとめ

碧桂園は、中国の不動産市場の発展とともに成長を遂げた企業ですが、近年の経済状況の悪化により、大きな経営危機に直面しています。債務不履行、清算訴訟、資産売却など、様々な問題を抱えながら、今後の経営再建に向けて模索が続いています。

出典

公式ウェブサイト

カントリーガーデン・ジャパン

関連項目

同族経営
バブル経済
新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)
ASAHI EITOホールディングス

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