碧霞元君

碧霞元君（へきかげんくん）

碧霞元君は、中国において特に華北地域で非常に人気のある女神で、泰山信仰の中心的存在です。また、彼女は「天仙聖母碧霞玄君」や「泰山老母」といった別名でも知られています。その神格は人々の出世、結婚、豊作など、さまざまな願いを叶えるとされています。

起源と信仰

碧霞元君の起源にはいくつかの説が存在します。伝説によれば、彼女は泰山の守護神である東岳大帝の娘、玉女大仙であるという説と、後漢の明帝時代の人物、石守道の娘で玉葉という名の説が有力とされています。さらには、泰山にある碧霞宮に祀られ、泰山三郎や四郎と血縁関係にあるとも言われています。さらに、観世音菩薩の生まれ変わりであるという説もあります。

神々の中でも、優しい存在として知られる碧霞元君は、信仰が薄い人々の願いであってもしっかりと受け止め、叶えてくれるとされています。そのため、彼女への信仰は広く、商売繁盛や子宝、夫婦円満、病気回復など、多岐にわたるご利益があります。

妙峰山の碧霞元君

北京市の南西約50キロに位置する妙峰山には、碧霞元君を祀る「妙峰山娘々廟」があります。この神社は、旧暦の4月の1日から15日まで開廟され、その期間中には麓から山頂まで約20キロメートルの道を歩かなければなりません。そのため、毎年多くの参拝客が訪れる人気のスポットとなっています。

補佐神々

碧霞元君の信仰には、王三奶々、送子娘々、痘神娘々、眼光娘々といった補佐神が存在します。これらの神々はそれぞれ特別な役割を持ち、碧霞元君と共に信仰される存在です。特に、碧霞元君と眼光娘娘、送子娘娘は雲霄娘娘、瓊霄娘娘、碧霄娘娘とも称され、合わせて三霄娘娘とも呼ばれています。

伝説と神通力

清代の伝説によると、碧霞元君は天下の狐仙を一手に統括する役割を担うとされています。九天玄女と並ぶ神通力を持つとされ、それにより多くの人々が彼女に祈りを捧げるのです。

碧霞元君は、その人々への親しみやすさや、幅広いご利益のため、多くの信仰を集め続けています。碧霞元君への信仰は、単なる願いを叶えるためのものだけでなく、人々の生活に大切な存在として根付いているのです。今後も彼女への信仰は多くの人々の支えとなることでしょう。

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