確かな学力

確かな学力とは

「確かな学力」とは、単に知識や技能を習得するだけでなく、学ぶ意欲を持ち、自ら課題を見つけて主体的に学び、判断し、行動する能力、そしてより良く問題を解決する資質や能力を含む、総合的な「学力」を指します。

概要

1998年から1999年にかけて告示された学習[[指導要領]]では、「生きる力を育む」ことが基本理念とされ、その中には「基礎的・基本的な内容の確実な定着」が含まれていました。しかし、その徹底のために指導内容を削減した結果、教育現場で混乱が生じ、学力低下論争を引き起こしました。これを受け、文部科学省は「生きる力」の理念を拡充し、「確かな学力」を育成するための政策を打ち出しました。

2003年、当時の文部科学大臣であった遠山敦子は、中央[[教育審議会]]に「初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について」を諮問しました。同年には答申を受け、学習[[指導要領]]の一部が改正され、「確かな学力」を推進する初期の政策が実施されました。この概念はその後も継続的に活用され、2008年から2009年に告示された学習[[指導要領]]にも盛り込まれています。

「確かな学力」に至る背景

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、教育界では「ゆとり[[教育]]」が導入され、学習内容が削減されました。しかし、この政策が学力低下を招いたとの批判が高まり、教育改革の必要性が叫ばれました。

そこで、文部科学省は、単なる知識の詰め込みではなく、自ら学び、考え、問題を解決する能力を重視する「確かな学力」という概念を提唱し、学習[[指導要領]]の改訂や教育政策の見直しを通じて、その育成に力を入れてきました。

「確かな学力」が意味するもの

「確かな学力」は、以下の要素を含む総合的な学力を指します。

知識・技能：教科書や授業で学ぶ基礎的な知識や技能。
学ぶ意欲：自ら学習に取り組む意欲や好奇心。
課題発見能力：問題点を見つけ出し、課題を設定する能力。
自律的な学習態度：自ら学習計画を立て、実行する能力。
問題解決能力：知識や技能を活用して問題を解決する能力。
判断力と行動力：物事を多角的に捉え、自らの意思で行動する力。

これらの要素をバランスよく育成することで、変化の激しい社会に対応できる人材育成を目指すものです。

関連事項

学力：学習によって獲得した知識や能力の総称。
生きる力：社会の変化に対応し、自立して生きるための総合的な能力。
ゆとり[[教育]]：学習内容を精選し、児童・生徒の個性や自主性を尊重する教育。
教育改革：教育制度や教育内容の見直し、改善。

外部リンク

確かな学力（1998年～1999年告示 学習[[指導要領]] 対象） （文部科学省）
初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について （2003年（平成15年）10月7日 火曜日、文部科学省 中央[[教育審議会]] 答申）
今後の初等中等教育改革の推進方策について - ウェイバックマシン（2003年8月3日アーカイブ分） （2003年（平成15年）5月15日 水曜日 15文科初第251号、文部科学省生涯学習政策局政策課）
確かな学力の向上のための2002アピール 「学びのすすめ」 （2002年（平成14年）1月17日 木曜日、文部科学省）

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