磁気探知機

磁気探知機（MAD）について

磁気探知機（Magnetic Anomaly Detector、略称：MAD）は、地表の微細な磁場の変化を感知するための装置です。この技術は、特に潜水艦を探知するために軍事用途で広く利用されています。潜水艦は、多くの強磁性材料で構成されているため、その存在によって磁場に顕著な乱れを引き起こします。このため、MADは潜水艦の捜索において非常に有効な手段となっています。なお、軍事用の磁気探知機は、もともとは鉱物探査に使用されていた地質調査ツールから発展したものです。

歴史

地球の磁場の変動を測定する試みは、1843年から始まりました。この時期以来、様々な科学者が地磁気の変化に関する研究を行ってきました。初期の磁力計は主に鉱脈の位置を特定するために使われ、1879年にはタレンが「磁気測定による鉄鉱石鉱脈の調査」というタイトルの科学論文を発表しました。この論文は、磁気測定技術の実用性を示すものでした。

1940年代に入ると、MADの原型となる技術が開発されます。特に、1930年代にガルフ・オイルのヴィクター・ヴァクワイアが開発したフラックスゲート磁力計は、手頃な価格で使える鉱脈発見技術として注目を集めました。この技術は、第二次世界大戦中に潜水艦発見のために使用され、アメリカ海軍と日本海軍の双方によって実際の戦闘でも活用されました。日本ではKMX磁気探知機として知られ、実戦での運用が行われました。

戦後もアメリカ海軍はソナー技術と並行してMADの研究を続け、1970年代から2010年代にかけてはオプティカルポンピング方式が主流となりました。しかし、現在は超伝導技術の進展により、今後超伝導量子干渉計（SQUID）方式の導入が期待されています。

用法

MADは主に対潜哨戒機に装備され、そのセンサーは航空機の胴体にある金属や電気設備からの干渉を避けるために、ブームの先端または空中に曳航される形で配置されます。とはいえ、潜水艦を探知するためには、潜水艦が海面近くに存在し、かつ航空機が非常に近い位置にいることが求められます。探知の精度は、潜水艦のサイズや船体の素材にも依存します。

関連項目

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対潜戦

• - KMX
• - 船体消磁

磁気探知機は、その特異な特性から、今後も対潜任務において重要な役割を果たしていくことでしょう。

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