磐城 (砲艦)

磐城（ばんじょう）

磐城（ばんじょう）は、日本海軍の砲艦として知られ、その名は静岡県伊豆半島にある磐城岳に由来しています。この艦は、静岡の豊かな森林から伐採された木材を主材料とし、横須賀造船所で建造されました。

概要

磐城は、日本海軍が設計した砲艦の中で、横須賀造船所が海軍直轄になった後に建造された第4艦目です。姉妹艦は存在していません。設計は、フランス人のヴェルニーなどが手がけましたが、建造や進水の工程は完全に日本人の手によるものでした。特に、主任設計者には渡邊忻三や赤松則良の名が挙げられています。

日清戦争および日露戦争では、艦は主に偵察や測量任務に従事しました。戦争中には旅順封鎖戦にも参加し、その後は沿岸水域記録の測定に注力しました。特に、郡司成忠大尉の千島探検には重要な役割を果たしました。

艦型と性能

磐城は三檣バーク型の木造砲艦で、以下のような要目を有しています：

• - 垂線間長: 44.60m
• - 最大幅: 7.72m
• - 吃水: 平均3.15m
• - 出力: 650馬力
• - 兵装: 15cm回転砲1門、12cm舷側砲2門

また、主機には横置還働式の2気筒歯車付き機関を搭載しており、当時同様の機関は非常に稀でした。ボイラーも高圧力を誇り、建造当初から設定されていた45ポンドから1891年に60ポンドに昇圧され、燃料効率が向上しました。

艦歴

1880年7月に竣工した磐城は、初の巡航を横浜から神戸へ出港しましたが、ボイラーの故障が影響し、途中で帰港せざるを得なくなりました。その後は修理を行い、1881年には朝鮮半島への派遣任務に従事しました。1879年から1881年にかけて、海軍用艦船の生活のために様々な修理や改修が行われました。

朝鮮派遣では、居留民の保護を目的として釜山や仁川の周辺で活動を行い、数度の寄港を経て、外国の公使の護衛も行いました。

1890年代には日清戦争や日露戦争での作戦にも参加し、のちに二等砲艦に類別されました。この間、実地研究や視察のための派遣任務を行ったり、機関の技術アップデートを施したりしました。

除籍とその後

1907年に除籍され、後には雑役船として編入されました。1911年には廃船となり、翌年には新潟県立新潟商業商船学校の練習船として使用されることになりました。

艦長

艦の指揮を担った艦長には、様々な経歴を持つ幕臣や将校が名を連ね、特に坪井航三や青木住真などが重要な役割を果たしました。彼らの指導のもと、磐城は日本海軍の中で特筆すべき存在となりました。

磐城の歴史を通じて、日本海軍の発展を垣間見ることができます。

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