社会主義学生同盟

社会主義学生同盟（社学同）とは

社会主義学生同盟（略称：社学同）は、1958年に結成された日本の新左翼系の学生組織です。その前身は、1950年に結成された日本反戦学生同盟（反戦学同）であり、共産主義者同盟（ブント）を上部組織としていました。社学同は、ブントの分裂の影響を受け、組織内での分裂を繰り返しながら、日本の学生運動史において重要な役割を果たしました。

結成の経緯

社学同の前身である反戦学同は、日本共産党を除名された学生党員たちが中心となり再編されました。1958年、反戦学同は社会主義学生同盟として発展的に解消し、初代委員長には中村光男が就任しました。同年、共産主義者同盟（ブント）が結成されると、社学同はその下部組織として活動を開始しました。

社学同の綱領の第一項目には、「戦争と搾取と抑圧の原因である帝国主義に反対し、労働者階級の解放闘争を支持し、日本と世界における社会主義の実現のために闘う」と掲げられていました。この綱領は、当時の社会情勢を反映し、学生たちの間で広く共感を呼びました。

組織の分裂と変遷

1960年の第一次共産同の分裂・消滅後、社学同もまた分裂しました。一部は革命的共産主義者同盟全国委員会系のマルクス主義学生同盟に合流しましたが、一部の大学では分裂せずに残り、「独立社学同」として活動を続けました。この独立社学同は、後に再建共産同（第二次共産同）に合流しました。

しかし、1968年以降の第二次共産同の分裂により、再建社学同も再び分裂を余儀なくされました。分裂の結果、社学同全国委員会派（統一派）と社学同ML派が形成され、さらにそれぞれの派閥が分裂・独立していきました。統一派は関東派と関西派に分かれ、関西派は後に赤軍派へと発展しました。一方、ML派は学生解放戦線（SEL）を形成しました。

このように、社学同は、共産同の分裂と並行して、複雑な分裂と再編を繰り返しました。このことは、当時の学生運動における思想的な対立と、組織運営の難しさを物語っています。

主な出身者

社学同からは、後に社会運動や思想界で活躍する多くの人物が輩出されました。

第一次社学同
中村光男（初代全国委員長）
陶山健一（委員長、後の中核派）

再建社学同
三上治（委員長、後の共産主義者同盟叛旗派）
荒岱介（後の戦旗・共産主義者同盟）
重信房子（後の日本赤軍）
柄谷行人（社学同再建のアピールを執筆、後に離脱）

これらの出身者たちは、それぞれの立場で社会運動に関わり、日本の社会に大きな影響を与えました。特に重信房子は、日本赤軍の創設者として、国際的なテロリズムに関与し、その活動は社会に大きな衝撃を与えました。

主な活動

社学同は、安保闘争や大学紛争などの学生運動において重要な役割を果たしました。特に、以下の事件には、社学同が深く関与しました。

安保闘争
神田カルチェ・ラタン闘争
明大紛争
東大安田講堂事件

これらの事件は、当時の学生たちの社会に対する不満や変革への熱意を示すものであり、社学同はこれらの運動を牽引する重要な役割を果たしました。

まとめ

社会主義学生同盟は、日本の新左翼運動における学生組織として、激動の時代を駆け抜けました。組織内部での分裂を繰り返しながらも、多くの学生たちに影響を与え、日本の社会運動史において重要な足跡を残しました。その活動は、今日の社会運動にも示唆を与えるものと言えるでしょう。

関連事項

共産主義者同盟
共産主義者同盟マルクス・レーニン主義派
安保闘争
神田カルチェ・ラタン闘争
明大紛争
東大安田講堂事件

外部リンク

* 社会主義学生同盟(SSL) Chronicle - リベラシオン社 （写真、機関紙等の資料集）- ウェイバックマシン

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