重信房子

重信房子について

重信房子（しげのぶ ふさこ、1945年9月28日生まれ）は、日本の女性テロリストであり、新左翼活動家として知られています。彼女は元赤軍派の中央委員であり、日本赤軍の最高幹部としてその活動を展開しました。重信は「ハーグ事件」に共謀したとして有罪判決を受け、懲役20年の判決が下されました。2022年には刑期を全うし出所しましたが、その過程での彼女の人生や悔いについての言葉が注目されています。

生い立ち

重信房子は東京都世田谷区で四人兄弟の次女として生まれました。父親は鹿児島県出身で、第二次世界大戦前の右翼団体に関与していたとされています。房子は父の影響を受け、幼少期から社会活動や文学に興味を抱いていました。東京都立第一商業高等学校を卒業後、キッコーマンで働きながら教員を目指し、明治大学の夜間学部に通っていました。ここでの活動が、彼女の政治的思想形成に大きな影響を与えたのです。

学生運動と赤軍派

大学に入学後、重信は学生運動に参加し、全学連における立場を築きました。彼女は共産主義者同盟に加わり、やがて赤軍派の創立メンバーの一人とされます。1970年には過激な活動を展開し、逮捕されるとともに、女性としての権利向上を求める運動も展開していきました。このような背景から、重信は「魔女」と呼ばれることもあります。

日本赤軍の結成

重信は1971年にアラブ地域での活動を開始し、パレスチナの解放運動に参加しました。妻としての名の奥平房子を名乗り、スパイとして活動しました。彼女とその仲間たちは、パレスチナ解放人民戦線（PFLP）と連携し、数々の国際的なテロ活動に関与すると共に、日本赤軍の名を広めることとなります。特に、1972年のテルアビブ空港事件に関与したことは彼女の評価に大きな影響を及ぼしました。

ハーグ事件と逮捕

重信は1974年に発生したハーグ事件に関与し、その責任を問われました。ハーグでのフランス大使館占拠事件は日本赤軍の活動の中でも特に注目されたものです。重信は無期懲役を求刑されましたが、最終的に20年の懲役を言い渡されたのです。彼女は、その後の逮捕や服役を通じて、国内外の革命運動に影響を与えていきました。

刑期満了とその後

刑期を全うした重信は2022年5月28日に出所。出所後の取材で、彼女は「無辜の人たちに被害を与えたことをおわびします」と語り、自身の過去の行動について反省の意を示しました。また、重信は逮捕されるまでの経緯や、組織内での女性の立場に関する問題等、様々な観点からの自省を語り、自身の闘争理念を再考する姿勢が窺えます。

影響と著作

重信房子の影響は日本国内外の活動にも及びました。彼女は多くの著作を残しており、特にパレスチナ問題や日本赤軍に関する論考が評価されています。著書には『わが愛わが革命』などがあります。出所後の彼女の言葉や活動は、今なお多くの反響を呼び起こしています。

重信房子は日本赤軍の歴史の中で欠かせない存在であり、彼女の生い立ちや活動は、現代の社会における女性の役割や、革命運動のあり方について再考を促すものとなっているのです。

もう一度検索