社会党 (ポルトガル)

ポルトガル社会党(PS)の概要と歴史

ポルトガル社会党（Partido Socialista、略称：PS）は、ポルトガルの主要政党の一つであり、社会主義インターナショナルと進歩同盟に加盟する社会民主主義政党です。中道右派の社会民主党（PSD）と並び、ポルトガルの二大政党として長年にわたり政権交代を繰り返しています。本稿では、社会党の歴史、主要な指導者、選挙結果、そして政権運営について詳細に解説します。

誕生と民主化革命

社会党は、1973年4月19日、当時のポルトガルがファシズム政権下にあったため、国外の西ドイツ、バート・ミュンスターライフェルで結成されました。初代書記長には、後にポルトガルの大統領となるマリオ・ソアレスが就任。リスボンの春と呼ばれる1974年の民主化革命後、ソアレスらは帰国し、民主化への移行に重要な役割を果たしました。

初期の政権運営と野党時代

1976年の総選挙で社会党が勝利を収め、マリオ・ソアレスが首相に就任。1978年までその職務を務めました。その後、1983年には再び首相の座に就きましたが、1985年の総選挙で敗北し、しばらく野党となります。1990年代に入ると、社会党は徐々に勢力を拡大し、1995年の総選挙で社会民主党を破り、アントニオ・グテーレスが首相に就任しました。グテーレス政権は2002年まで続きました。

21世紀の社会党

2004年、ジョゼ・ソクラテスが社会党書記長に選出され、翌2005年の総選挙で勝利、首相に就任しました。ソクラテス政権は、2009年の総選挙でも第一党を維持し政権を続けますが、緊縮財政案の否決を機に2011年に総選挙が実施され、社会民主党に敗北。ソクラテス首相は辞任しました。

その後、2015年の総選挙では社会民主党が過半数を獲得できず、社会党は左派三党（左翼ブロック、共産党、緑の党）からの閣外協力を得て、アントニオ・コスタが首相に就任しました。コスタ政権は、2019年の総選挙でも勝利し、2022年の総選挙では単独過半数を獲得、コスタ首相の続投が決まりました。しかし、2023年11月にコスタ首相が辞任表明し、早期解散総選挙が行われ、2024年3月11日の選挙で社会党は敗北を喫しました。

主要な指導者

社会党の歴史において重要な役割を果たした指導者たちには、以下の人物がいます。

マリオ・ソアレス (Mário Soares): 初代書記長、首相、大統領
アントニオ・グテーレス (António Guterres): 首相、国連事務総長
ジョゼ・ソクラテス (José Sócrates): 首相
アントニオ・コスタ (António Costa): 首相

党勢の推移

社会党は、ポルトガルの民主化以降、常に主要政党として存在感を示し、政権与党と野党の間を何度も渡り歩いてきました。選挙結果の変動は、国内経済情勢や社会問題への対応、そして社会党自身の政策や戦略に大きく影響を受けています。詳細な選挙結果については、国民選挙委員会(CNE)の選挙リサーチを参照ください。

まとめ

ポルトガル社会党は、ポルトガルの民主化に重要な役割を果たし、長年にわたって同国の政治をリードしてきた主要政党です。様々な困難や挑戦を乗り越えながら、社会党は常に変化する政治状況に適応し、ポルトガルの社会民主主義の進展に貢献してきました。今後のポルトガルの政治においても、社会党は引き続き重要な役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索