祇園新道

祇園新道（祇園バイパス）の詳細解説

祇園新道は、広島県広島市中区の県立総合体育館前交差点から安佐南区緑井の緑井1丁目交差点に至る、全長7.8kmの国道54号バイパスです。一般的には祇園バイパスという名称で知られています。

概要

この道路は、広島市北部の団地開発に伴い、都心部への交通集中を緩和するために計画されました。広島都市圏北部からの大量の自動車交通をスムーズに都心部へ誘導する役割を担い、山陽自動車道と広島市中心部を結ぶアクセス道路としての機能も有しています。

祇園新道の最大の特徴は、中央分離帯の高架上に新交通システムであるアストラムラインを導入した点です。これにより、自動車交通から公共交通への転換を促し、より効率的な都市交通の実現を目指しました。道路幅員は50mと広く、環境施設帯として副道や樹木帯を設けるとともに、地下には共同溝を先行整備するなど、交通機能の強化だけでなく、環境への配慮や生活基盤の整備にも重点が置かれています。

祇園新道の開通により、ラッシュ時の緑井から紙屋町間の所要時間は大幅に短縮され、65分の時間短縮効果がありました。

アストラムラインは、城北駅北交差点の北側から中筋一丁目交差点の南側にかけて祇園新道の中央分離帯上空を走行しています。なお、城北駅北交差点以南の区間では、アストラムラインは祇園新道の地下を通過していますが、この区間はかつて広島城の外堀・中堀であった場所です。

全線にわたり国道191号と重複しており、一部区間は広島県道37号広島三次線とも重複しています。

路線データ

起点：広島市中区基町（県立総合体育館前交差点）
終点：広島市安佐南区緑井（緑井1丁目交差点）
延長：7.8km
車線数：4 - 8車線
道路幅員：50.0m
車線幅員：3.25m
制限速度：50km/h - 60km/h

沿革

1968年（昭和43年）：調査開始
1971年（昭和46年）：祇園バイパスとして事業化
1974年（昭和49年）：区画整理の問題が難航し、白紙撤回
1977年（昭和52年）7月：都市計画決定（新交通システムの導入決定）
1978年（昭和53年）：用地着手
1981年（昭和56年）：工事着手
初期は、祇園新橋や昭和橋などの構造物の建設、および祇園新橋以南の広島県道37号広島三次線との重複区間における現道交通の切り回しを伴う施工が中心でした。
1988年（昭和63年）3月：広島市東区牛田新町 - 同市安佐南区緑井間 (L=5.9km) が暫定供用
山陽自動車道広島ICの開通に合わせて供用開始され、その後、こうへい橋の架け替え、祇園新橋上り線の架設、多車線化、環境整備などが進められました。
1989年（平成元年）2月：新交通システムの起工式
1993年（平成5年）10月25日：祇園新橋 - 広島IC間の2→4車線化（広島空港の本郷町への移転に伴う交通量増加対策）
1994年（平成6年）5月31日：牛田新町から中区紙屋町の区間を含めて全線完成供用
1994年（平成6年）8月20日：新交通システム広島高速交通広島新交通1号線（アストラムライン）が開業
2008年（平成20年）4月1日：国道54号旧道（可部街道）のうち、広島市民球場南交差点 - 中須2丁目交差点の区間の管理が国土交通省から広島市に移管され、国道54号は祇園新道のみとなる（旧道区間は国道183号・国道261号に変更）。

通過市町村

広島市安佐南区
広島市東区
広島市中区

主な接続道路

起点側から終点側へ、上り側と下り側を分けて記載します。本線と副道の接続は省略します。路線名の特記がないものは市道です。全線広島県広島市に所在します。

実際のキロポストは紙屋町交差点 (0KP) からの距離となります。ただし、広島城南交差点 (1.0KP) で+500m補正されます。

主な構造物

新こうへい橋
祇園新橋
昭和橋

外部リンク

中国地方整備局
* 広島国道事務所

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