祇王村

祇王村（ぎおうむら）

概要

祇王村（ぎおうむら）は、かつて滋賀県野洲郡に存在した村です。現在の野洲市において、その中心部から見て北東側に位置する一帯がかつての村域にあたります。村としての歴史は明治時代に始まり、昭和の合併により消滅しました。発足当初は「義王村」という名称でしたが、後に「祇王村」へと改称されています。

地理

村域には、家棟川（やのねがわ）や童子川（わらしがわ）といった河川が流れ、地域の地理的な特徴を形作っていました。

歴史

祇王村の歴史は、明治時代に施行された町村制によって始まりました。

1889年（明治22年）4月1日：当時の永原村、中北村、上屋村、辻町村、冨波村、五之里村、北村といった周辺の複数の村々が合併し、「義王村（ぎおうむら）」として新たな自治体として発足しました。
1894年（明治27年）8月22日：義王村はその名称を変更し、「祇王村（ぎおうむら）」となりました。読み方は変わりませんでしたが、漢字表記が改められました。
1954年（昭和29年）：村の様子が、大阪書籍から出版された教科書『小学社会四年生上』において、約10ページにわたって取り上げられ、教育の場で紹介されました。
1955年（昭和30年）4月1日：昭和の大合併の流れの中で、祇王村は隣接する篠原村、そして野洲町と合併しました。これにより、改めて「野洲町」が発足し、同日をもって祇王村はその自治体としての歴史に幕を閉じ、廃止されました。

交通

村の領域内を東海道本線の鉄道路線が通過していました。しかしながら、村内には旅客や貨物を扱うための駅は設置されていませんでした。

人物

平家物語に登場する白拍子の妓王（祇王）は、この地とゆかりがあるとされており、村名の由来とも関連があると考えられています。

村内にあった主な施設・史跡

祇王村だった地域には、現在も続く様々な施設や歴史的な史跡などが点在しています。以下に主なものを挙げます。

寺院

妓王寺（かつての所在地：中北9）
福泉寺（かつての所在地：永原674）
見星寺（かつての所在地：上屋858）
常念寺（かつての所在地：永原690）
順徳寺（かつての所在地：永原580）
西徳寺（かつての所在地：辻町127）

神社

生和神社（かつての所在地：冨波乙631）
生和神社御旅所（かつての所在地：冨波甲424-66）
篠原神社（かつての所在地：上屋1448）
貴布禰神社（かつての所在地：中北128）
土安神社（かつての所在地：永原1025）
菅原神社（かつての所在地：永原1041）
野上神社（かつての所在地：上屋877）
三上神社（かつての所在地：辻町131）
屋棟神社（かつての所在地：不明）

教育機関

野洲市立祇王小学校（かつての所在地：上屋1169）
祇王幼稚園（かつての所在地：永原474）

その他施設・史跡

永原御殿跡
祇王郵便局（かつての所在地：永原1810-1）
サラダ館祇王店（かつての所在地：永原517）
守山警察署祇王警察官駐在所（かつての所在地：冨波甲877-4）
日本料理妓王（かつての所在地：永原571）
大岩山古墳群（かつての所在地：辻町439）
宮山二号墳（かつての所在地：辻町132）

参考文献

角川日本地名大辞典 25 滋賀県

関連項目

滋賀県の廃止市町村一覧

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