祖父江義明

祖父江義明

祖父江義明（そふえ よしあき、1943年5月2日 - ）は、日本の著名な天文学者であり、特に銀河天文学、電波天文学、星間物理学を専門としています。理学博士の学位を持ち、東京大学名誉教授、元明星大学理工学部教授、鹿児島大学教授、そして日本天文学会理事長といった要職を歴任しました。

生い立ちと教育

千葉県出身の祖父江氏は、千葉県立千葉高等学校を卒業後、東京大学に進学し、海野和三郎教授の下で天文学を学びました。海野教授は萩原雄祐の弟子であるため、祖父江氏は萩原の孫弟子にあたります。数学にも才能を発揮し、「物理学者でなければ数学者になっていたかもしれない」と語るほどの数学好きでもありました。

研究活動

祖父江氏は、銀河天文学・電波天文学の第一人者として、数多くの研究成果を上げています。特に、銀河中心の活動性や銀河回転曲線、ダークマターの分布に関する研究は、国際的にも高く評価されています。主著論文は100篇を超え、その業績は多岐にわたります。

名古屋大学時代には、直線偏波電波源かに星雲掩蔽時のファラデー回転観測による太陽コロナ磁場の研究で東京大学より理学博士号を授与されました。ドイツのマックス・プランク電波天文学研究所では、銀河系・星間物質の電波観測と放射機構に関する研究に従事しました。野辺山宇宙電波観測所においては、ミリ波帯における銀河および星間物質のスペクトル観測、連続波による銀河電波と銀河中心の研究を主導しました。

東京大学理学部教授としては、理論天文学分野における後進の指導育成に尽力し、定年退官時の講演は「我々の銀河系は爆発したか？」という興味深い題目でした。

人物

祖父江氏は、明るく社交的な人柄で知られています。野辺山宇宙電波観測所時代には、海部宣男氏と隣同士の席で仕事をし、海部氏が公報や施設計画を担当する一方で、祖父江氏はデータ解析手法の開発に没頭しました。古在由秀および小平桂一は、二人が協力することで日本の電波天文学は一流になり得ると期待していました。

モットーは、「暗い宇宙の中に生命の真理は存在し、暗い宇宙を明るく観測することが天文学者の務めである」というもので、その言葉には天文学への情熱が込められています。

主な著書

『コンピュータが描く宇宙』
『電波でみる銀河と宇宙』
『宇宙生命へのアプローチ』
『天の川の真実』（共著）
『銀河物理学入門』
『シリーズ現代の天文学4巻ー銀河と宇宙の階層構造ー』（編著）
『シリーズ現代の天文学5巻ー銀河系ー』（編著）

弟子

中井直正、林正彦、半田利弘、本間希樹、幸田仁、中西裕之など、多くの優秀な天文学者を育成しました。

外部リンク

祖父江義明公式サイト

もう一度検索