祝姫

祝姫（いわいひめ）

『祝姫』は、DMM.comラボより2016年に発売されたWindows用ゲームです。その後、2017年には日本一ソフトウェアからPlayStation 4|PlayStation_4/PlayStation Vita版『祝姫 -祀-』が発売され、2020年にはSteam版『祝姫【国際版】』がDMM GAMESより配信されました。

あらすじ

物語は、主人公である煤払 涼が、一族の掟に従い、県立須々田高校の2年A組に編入するところから始まります。転校後、涼はすぐに春宮や熱田といった友人を得て、楽しい日々を送るようになります。しかし、そんな和やかなクラスの中に、ただ一人、異質な雰囲気を放つ少女がいました。その少女の名は、黒神 十重。彼女は常に日本人形を携え、虚ろな目で何かを見つめているかのように佇んでいました。

涼は十重のことが気になり、彼女に近づこうとしますが、友人である春宮から「黒神さんに関わってはいけない、きっと悪いことが起きる」と制止されます。しかし、涼は春宮の制止を振り切り、十重と関わり始めることになります。この出会いが、涼を数奇な運命へと導いていくことになります。

登場人物

煤払 涼（すすはら すずむ）
声 - 古川慎
本作の主人公。冷静で紳士的な性格で、代々伝わる武術「煤払流神前武術」を修めています。

黒神 十重（くろかみ とえ）
声 - 赤﨑千夏
涼の同級生。常に日本人形を持ち歩き、周囲からは奇異の目で見られています。千年前の呪いを身に宿しており、霊障に苦しんでいます。

春宮 椿子（はるみや つばきこ）
声 - 本多真梨子
涼の遠縁の親戚で、アパートの大家の娘。過去に辛い経験をしており、男性不信の時期もありましたが、現在は涼や熱田と友好的な関係を築いています。

美濃部 鼎（みのべ かなえ）
声 - 大坪由佳
涼たちの先輩で、シャチホコ部の部長。マイペースな性格で、後輩たちとも気さくに接します。

布川 莉里杏（ぬのかわ りりあ）
声 - ブリドカットセーラ恵美
涼の後輩で、アイドルユニット「フラワーハイスクール」の一員。努力家で、アイドル活動と学業を両立させています。

雛形 真由（ひまがた まゆ）
声 - 田中涼子
養護教諭でシャチホコ部の顧問。過去に壮絶な経験をしており、呪いや霊障の研究をしています。

熱田 夏也（あつた なつや）
声 - 泰勇気
涼の同級生で親友。「グレート」が口癖で、料理が得意。

亀沼 翔（かめぬま しょう）
声 - 阿部敦
須々田高校の不良。黒神十重を許嫁としていますが、愛情はありません。

鹿神比古命（ろくがみひこのみこと）
千年前の須々田の山にいた神。村を救うために自らを犠牲にしました。

牝鹿
鹿神比古命の妹。兄の犠牲の後、人間に虐殺され、その怨念が呪いとなりました。

睦（むつ）
声 - 古川慎
1000年前の時代の人間で、涼の先祖。鈴女と出会い、惹かれあいます。

鈴女（すずのめ）
声 - 赤﨑千夏
1000年前の時代の人間で、十重の先祖。呪いを封じ込める生贄となります。

用語解説

煤（すす）
災厄を引き起こす力を持つ霊的な物質。人間の霊的な抵抗力を弱めます。

霊障
霊的な存在からの干渉によって発生する幻覚。強い苦痛を伴います。

煤集の邪法
煤を封印するために行われた邪法。生贄の身体に煤を封じ込めます。

煤分けの邪法
次代の生贄として双子以上の子供を産ませることで、煤を分散させる邪法。

煤移しの邪法
術者の霊的な抵抗力を対象者に分け与える邪法。

煤払流神前武術
煤払家に代々伝わる武術。神に感謝を捧げることを目的としています。

シャチホコ部
社会地域奉仕貢献部の略称。地域でのボランティア活動を行っています。

ベッタ
1000年前に流行した遊び。現代のメンコのようなものです。

開発の経緯

本作は、「日本古来の恐怖」をテーマにした企画から生まれました。イラストレーターには、黒髪を美しく描ける和遥キナが起用されました。当初のタイトルは『呪姫』でしたが、竜騎士07の要望で『祝姫』に変更されました。

祝姫 -祀-（まつり）

コンシューマ版である『祝姫 -祀-』では、CEROの審査基準に合わせるため、シナリオが大幅に書き直されました。特に鼎編は根本から書き直されており、竜騎士07は「生活力のない子供にとって親の庇護がどれだけ大事か」という点に着眼点を戻せたと語っています。

反響

『祝姫 -祀-』は、週刊ファミ通のクロスレビューでシルバー殿堂入りを果たしました。

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