神保茂明

神保茂明

神保茂明（じんぼう しげあきら）は、江戸時代前期に徳川幕府に仕えた旗本です。初名は茂安（しげやす）や茂武（しげたけ）と名乗り、通称として大学、左京を、号としては一洞をそれぞれ用いました。法名は心厳です。父は神保相茂、妻は松平正綱の娘、後妻は松平重則の娘であり、子には元茂、茂知、そして二人の娘がいます。

生涯

元和元年（1615年）の大坂夏の陣において、父である相茂が戦死するという悲劇に見舞われました。当時、幼かった茂明は外祖母（杉若無心の室）と共に、本多正信に連れられて父の戦死を報告しました。その後、駿府に呼び出され、日光東照宮にある父の墓に参りました。その後、江戸に移り住み、二代将軍・徳川秀忠に仕えることとなります。

寛永2年（1625年）には、その功績が認められ7000石を賜りました。寛永11年（1634年）には、徳川家光が上洛するのに先立ち、京都へ上洛しています。寛永17年（1640年）には、甲府城の守備を命じられ、しばらくの間、その任に就きました。

慶安3年（1650年）には、大安宅船の修理奉行に指名され、その手腕を発揮しました。寛文2年（1662年）には、この修理の功績が認められ、幕府より羽織を賜っています。天和2年（1682年）に長年の奉公を終え、致仕しました。

元禄4年（1691年）に81歳で死去し、江戸谷中の大行寺に埋葬されました。この大行寺は、以降、大身旗本である神保氏の菩提寺となりました。

神保茂明の生涯は、戦乱の時代から泰平の世へと移り変わる江戸時代前期を生き抜いた旗本の典型的なものであり、その足跡は、当時の武士の生き方や幕府の政策を知る上で貴重な資料となっています。

参考文献

* 「寛政重脩諸家譜. 第7輯」(1923年)

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