神宮大麻

神宮大麻（じんぐうたいま）とは

神宮大麻とは、伊勢神宮より頒布されるお神札（おふだ）のことです。正確には「おおぬさ」といい、祓い具である祓い串の御真（ぎょしん）を清浄な和紙で包んだものです。家庭や会社などで祀られ、日々の安全と繁栄を祈願するために用いられます。

起源と歴史

神宮大麻の起源は、伊勢神宮の御師（おんし）が頒布した御祓（おはらい）大麻に遡ります。御師とは、伊勢神宮に参拝者を案内し、祈祷を行う役割を担っていた人々です。彼らは、お祓いを行った証として、祓串を和紙に包んで人々に配っていました。これが神宮大麻の原型とされています。

御師の活動

御師は、平安時代から存在していましたが、室町時代以降にその活動が活発化しました。彼らは檀家（だんか）回りを行い、将軍家のような有力者には大規模な祈祷を、一般の人々には剣御祓（つるぎおはらい）と呼ばれるお祓いを施し、大麻を頒布しました。また、大麻とともに伊勢暦などの物品も配布していました。

明治時代の変革

明治時代に入ると、国家[[神道]]の形成が進められ、御師の制度は廃止されました。その後、神宮教という組織が設立され、神宮大麻は全国に頒布されるようになりました。現在では、神社本庁がその役割を引き継いでいます。

神宮大麻の意義

神宮大麻は、単なるお札ではなく、神様の御霊が宿る神聖なものです。日々の生活の中で神宮大麻を祀ることは、神様のご加護をいただき、心豊かな生活を送ることに繋がると考えられています。

神宮大麻の種類

現在、一般的に頒布されている神宮大麻は札型ですが、古くからの剣祓型のものも存在します。また、お守りの中に入っている小さな神札を守祓（まもりはらい）と呼びます。

神宮大麻に関する祭事

伊勢神宮では、神宮大麻に関する様々な祭事が行われています。

大麻修祓式（たいましゅはつしき）: 随時行われる、大麻を清める儀式です。
大麻暦奉製始祭（たいまれきほうせいはじめさい）: 1月8日に行われる、大麻暦の製作開始を祝うお祭りです。
大麻暦頒布終了祭: 3月1日に行われる、大麻暦の頒布終了を感謝するお祭りです。
大麻用材伐始祭（たいまようざいきりはじめさい）: 4月に行われる、大麻の材料となる木を切り出すお祭りです。
大麻暦頒布始祭（たいまれきはんぷはじめさい）: 9月17日に行われる、大麻暦の頒布開始を祝うお祭りです。
大麻暦奉製終了祭: 12月20日に行われる、大麻暦の製作終了を感謝するお祭りです。

まとめ

神宮大麻は、伊勢神宮の御神威が込められた大切なお神札です。その歴史や意義を理解し、感謝の気持ちを込めてお祀りすることで、より豊かな日々を送ることができるでしょう。

神宮大麻を通じて、日本の伝統文化や神道の精神に触れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索