神宮寺 (豊橋市)

神宮寺（じんぐうじ）

神宮寺は、愛知県豊橋市の魚町に位置する天台宗の仏教寺院で、院号は寿命院、山号は白雲山です。本尊には大日如来が祀られています。この寺院は、龍拈寺と悟真寺とともに「吉田三ヶ寺」の一つとして知られています。

歴史

神宮寺の始まりは、かつて三河国吉田に存在していた長禅寺という荒廃した禅寺にさかのぼります。当時、尾張の知多郡師崎にあった羽頭神社の別当である重信法印が、この荒れ果てた寺を再生させ、慶長元年（1596年）に神宮寺と名付け、また天台宗に改宗しました。彼は妙法蓮華経を基盤にした教えを根付かせるため努力しました。

以降、寺院は江戸城の鬼門を守る役割を担うことになり、徳川将軍家の菩提寺としても重要な地位を占めるようになりました。これにより、東叡山寛永寺（現在の東京都台東区）に属すこととなりました。さらに、三河吉田藩の藩主である小笠原山城守長矩はこの寺院を吉田三ヶ寺に組み入れ、また歴代の城主は神宮寺を祈願所として利用し、36石余りの土地を寄進しました。

しかし、歴史の波が押し寄せ、1945年（昭和20年）6月には太平洋戦争中の豊橋空襲により、全ての伽藍が焼失してしまいました。この厳しい時期を経て、寺院は再建され現代に至っています。

本尊

神宮寺の本尊である大日如来像は、宇宙の真理を象徴する存在として密教において特に重視されています。伝説によれば、この像は行基によって開基とされる船形山普門寺から移されてきたものです。この像は、信者に深い教えをもたらす重要な存在となっています。

境内

神宮寺の境内にはいくつかの重要な施設があります。

• - 本堂: 本尊である大日如来が祀られている場所です。
• - 庫裏: 寺院の生活空間であり、僧侶による運営が行われています。
• - 地蔵堂: 地蔵菩薩が祀られ、信仰を集める場所となっています。

吉田七福神

また、神宮寺は1997年（平成9年）に開創された吉田七福神の巡礼地としても知られています。これは新しい霊場巡りで、七福神をテーマとした信仰の場として地域に根付いています。

現地情報

貴重な歴史を有する神宮寺は、愛知県豊橋市魚町79番地に位置しています。訪れる際は、豊橋鉄道東田本線の札木停留場からアクセスできます。

神宮寺の静謐な雰囲気の中で、歴史的な背景や文化を知ることができる貴重な場所です。訪問者は、心穏やかに過ごしながら、大日如来の教えを感じることができるでしょう。

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