神山治貴

神山 治貴

神山 治貴（かみやま はるき）は、1946年（昭和21年）2月5日生まれの日本の実業家、経営者です。秋田県湯沢市で生を受け、株式会社マクニカの創業者として知られ、現在はマクニカホールディングスの名誉会長として経営に携わっています。また、教育や社会貢献活動にも深く関わり、神山財団の理事長を務めています。

経歴

1969年（昭和44年）3月、東京電機大学工学部第二部電子工学科を卒業。その後、いくつかの企業で経験を積みます。具体的には、1964年4月には日本レミントン・ユニバック株式会社（現在のBIPROGY株式会社）、1967年4月には株式会社三ツ波、1972年4月にはインターニックス株式会社に勤務しました。

そして1972年（昭和47年）、日本の半導体流通業界において重要な一歩となるジャパンマクニクス株式会社（現在の株式会社マクニカ）を自ら興します。創業から間もない1975年（昭和50年）2月には代表取締役社長に就任し、長年にわたり同社の成長を牽引しました。その後、2008年（平成20年）6月に代表取締役会長、2010年（平成22年）6月に取締役会長を務め、経営の形態を変えながらも会社への貢献を続けました。

2015年（平成27年）4月には、共同持株会社であるマクニカ・富士エレ ホールディングス株式会社（現・マクニカホールディングス株式会社）の設立に尽力。2019年（令和元年）6月からは同社の名誉会長に就任し、現在に至ります。

教育・社会活動

神山氏は、母校である東京電機大学との関わりが深く、その発展に貢献しています。2015年（平成27年）3月には、同大学から名誉博士の称号を授与されました。これに先立ち、2006年12月から2009年12月まで評議員、2009年11月から2016年3月まで理事を務めるなど、大学運営の要職を歴任。また、2010年5月から2014年7月にかけては、学校法人東京電機大学の情報統括責任者（CIO）も務めました。

大学での貢献は組織運営に留まりません。成績優秀な学生の表彰制度である学長賞の充実、緊急時に学生を支援する応急奨学金の創設、学生の国際的な視野を広げるための海外留学派遣促進など、学生の能力向上と教育環境の充実に向けた様々な施策を支援しています。

さらに、多岐にわたる経済・ビジネス関連団体でも重要な役割を果たしてきました。公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会副会長、一般社団法人神奈川ニュービジネス協議会名誉会長（前会長）をはじめ、一般社団法人神奈川県経営者協会（元評議員）、公益社団法人経済同友会会員（元幹事）、一般社団法人日本半導体商社協会（元副会長）、一般社団法人半導体産業人協会（SSIS）会員、一般社団法人日本工業倶楽部会員、そしてThe RAND Center for Asia Pacific Policy (CAPP) の諮問委員など、その活動範囲は広範に及びます。

社会貢献活動（神山財団）

神山氏の社会貢献活動の中でも特筆すべきは、2013年（平成25年）1月に設立された一般財団法人神山財団です。自ら代表理事を務めるこの財団では、「明るい未来をつくる」ことを理念に掲げ、グローバルな視点を持ち社会に貢献できる、次世代を担う人材の育成を目的とした奨学支援活動を展開しています。具体的には、社会人を対象とした「海外留学奨学金制度」や、全国の美術系大学院生を支援する「芸術支援プログラム」などを通じて、意欲ある若者の成長を後押ししています。

著作・受賞

経営者としての経験や哲学は、著書『経営の本質』（ダイヤモンド社、2022年9月刊）にまとめられています。この著書は、ISBN 978-4-478-11530-5として出版されています。

また、長年の功績が認められ、2022年（令和4年）には「財界」による第65回経営者賞を受賞しました。

神山治貴氏は、企業経営、教育支援、社会貢献活動の多方面でリーダーシップを発揮し、日本の産業界及び社会に大きな足跡を残しています。

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