神島灯台

神島灯台（かみしまとうだい）

神島灯台は三重県鳥羽市の神島町に存在する中型の灯台です。この灯台は、伊良湖水道という日本の三海門の一つに位置しており、歴史的には海運の要所として知られています。 江戸時代、中村瑞賢が提唱した西廻海運によって、1672年に神島に御燈明堂が設置され、灯台の前身が誕生しました。

歴史的背景

伊良湖水道は、船の航行において大変危険な場所とされ、そこでの難所を乗り越えることが船頭歌にも歌われています。明治時代に入り、1908年には「朝日」と呼ばれる戦艦が座礁したことから、神島灯台の必要性が強まります。そして、1909年には灯台の建設が着工され、1910年5月1日に点灯を開始しました。

この灯台は、石油ランプではなく、当時最新の技術を用いた吸入式ガス発電機による電気式灯台であり、日本で二番目の電気式灯台となりました。神島灯台は、タングステンフィラメントを使用した白熱電球を光源とする灯台としても、日本初の実績を持ちます。

1912年には、海運の安全を守るため無線電話が実用化され、島と本土との間で迅速な連絡が可能となりました。この無線電話は、船舶の通過情報や島民の公衆通信に利用されるようになります。

次第に灯台は近代化され、1915年には発電設備が更新され、1967年には鉄筋コンクリート製の灯台に改築されました。また、灯台には神島コヅカミ礁の照射灯も併設されています。1998年には、日本の灯台50選に選ばれるなど、地域のシンボルとしての地位を確立しました。

最新の動向

2006年には、古いレンズを新しいタイプの灯器に交換し、2011年には無線電話の実用化から100年を記念するイベントも開催されました。このように、神島灯台は地域の航行の安全を守り続け、時には歴史の証人ともなる数々の出来事を見守っています。

アクセスと訪問

神島灯台へのアクセスは、鳥羽市の市営定期船を利用し、鳥羽港から神島漁港までの航路があります。漁港からは整備された近畿自然歩道があり、神島を歩いて一周することが可能です。自然豊かな島の景観を楽しみながら、灯台の背景に興味を持つ観光客の訪問が増えています。神島灯台は、訪れる人々にとって海と自然の魅力を再発見する場ともなっています。

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