神川 (長野県)

神川の詳細

神川（かんがわ）は、長野県上田市を流れる、信濃川水系に属する一級河川です。その源流は、四阿山の西麓に広がる菅平高原の湧水に端を発します。この湧水が集まり菅平川となり、南東へと流れ始めます。さらに、鳥居峠から西に流れる鳥居川や渋沢川が合流し、ここから神川と名前を変え、南西へと流れていきます。

その後、地蔵峠から南に流れる傍陽川、洗馬渓谷からの洗馬川など、複数の支流を合わせて南へと向きを変えます。烏帽子火山から流れ出た溶岩によって形成された台地を抜け、上田盆地へと流れ込むと扇状地を形成し、上田市国分にて千曲川へと合流します。

上流部の菅平川には、遷急点と呼ばれる地形があり、この場所では堆積作用が活発です。遷急点は急流となり、唐沢の滝として知られています。滝から下流は、四阿山の火山泥流によって深く浸食され、渓谷を形成しています。昭和44年（1969年）には菅平ダムが建設され、発電や灌漑、上水道などに利用されています。千曲川との合流点近くでは、神科台地を侵食し、田切地形の窪地を流れ、急流となる特徴を持っています。神科台地の右岸一帯は染屋台と呼ばれており、上田地方最大規模の条里制の遺構が残っています。

神川は、かつて「寒川」や「上川」とも表記され、『千曲之真砂』には、加賀の白山神社を真田村に勧請したことから「加賀川」とも呼ばれていたという記述があります。

神川合戦

神川は、歴史的にも重要な舞台となりました。天正13年（1585年）、上州沼田の領有を巡り、徳川氏と真田氏が対立しました。徳川家康は、真田討伐のために7000の兵を上田城に派遣し、第一次上田合戦が勃発しました。

迎え撃つ真田昌幸は、2000余りの兵力と城下の防御柵、山城などの地の利を活かして奮戦しました。撤退する徳川勢を追い詰め、増水した神川で多数の兵を溺死させました。この戦いは、真田氏が戦国大名として台頭する転機となり、「神川合戦」とも呼ばれています。

参考文献

『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』 平凡社、1979年
『長野県百科事典』 信濃毎日新聞社開発局出版部、1983年

関連項目

* 上田ローマン橋

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