神戸ヤマト運輸

神戸ヤマト運輸株式会社

神戸ヤマト運輸株式会社は、日本の大手物流企業グループであるヤマトホールディングス株式会社に属する運送会社です。兵庫県神戸市中央区に本社を構えています。ヤマト運輸グループ全体を見渡しても、社名に特定の地域名が冠されている企業は少なく、神戸ヤマト運輸はその中でも特徴的な存在として知られています。

沿革

会社の起源は、昭和29年に設立された大洋自動車運送株式会社に遡ります。その後、昭和39年にヤマト運輸の傘下に入りました。グループの一員となった時期としては比較的早期にあたりますが、これは大洋自動車運送時代から、特に港湾物流、すなわち海上コンテナ輸送を事業の主軸としていた沿革が大きく影響しています。

事業内容

神戸ヤマト運輸の事業内容は多岐にわたりますが、その中心を占めるのは港湾に関連する物流、特に海上コンテナの輸送です。国際物流の拠点である神戸港を背景に、海上コンテナの陸上輸送を得意としています。しかし、事業はそれだけに留まりません。主な事業としては、以下のものが挙げられます。

• - コンテナ輸送（海上コンテナ、内陸コンテナなど）
• - トラックチャーター便
• - JITBOX輸送（神戸地区限定）
• - ロジスティクスサービス
• - 宅配事業（ヤマト運輸の主力サービスである宅急便とは異なる独自の宅配サービス）
• - ネットスーパーの配送代行

特に注目すべきは、海上コンテナや港湾における荷役作業に加え、ヤマトグループの他の企業と同様に長距離の幹線輸送も担っている点です。また、独自の取り組みとして、生協などの共同購入における個人別の配達代行サービス（いわゆる買い物代行サービス）を展開していることも、他には見られない特色と言えるでしょう。

他の地域名冠企業との比較

ヤマト運輸グループには、かつて神戸ヤマト運輸と同様に地域名が冠された企業がいくつか存在しました。例えば、現在も活動する沖縄ヤマト運輸や、旧社名が京都ヤマト運輸だったヤマトマルチチャーター、あるいは現在はヤマト運輸株式会社（旧ヤマト運輸株式会社が合併）に統合された旧四国ヤマト運輸、旧九州ヤマト運輸などがあります。これらの企業も特定の地域を基盤としていましたが、その事業内容は神戸ヤマト運輸とは異なっています。沖縄ヤマト運輸や旧四国・九州ヤマト運輸が特定のエリアにおける宅急便事業を主な事業としていたのに対し、神戸ヤマト運輸は一貫して港湾物流、特に海上コンテナ輸送を核としてきました。また、旧京都ヤマト運輸もかつてはエリア内の宅急便事業を担っていましたが、現在は運行事業をメインとしています。神戸ヤマト運輸も運行事業は行いますが、その開始は1997年と比較的遅く、また事業の多様性という点でも旧京都ヤマトを含む他の地域ヤマトとは一線を画しています。

労働組合

ヤマトグループの多くの企業では、運輸労連系のヤマト運輸労働組合（通称：ヤマト労連）が中心的な労働組合として活動しています。神戸ヤマト運輸においても、ヤマト労連に所属する神戸ヤマト運輸労働組合が存在しますが、それに加えて、関西合同労働組合の神戸ヤマト運輸分室、そして企業内組合である神戸ヤマトユニオンという、合計三種類の労働組合が活動しているという点も、グループ内では珍しい組織体制と言えます。

このように、神戸ヤマト運輸は、ヤマトグループの一員でありながらも、その設立経緯、事業内容、他の地域拠点企業との違い、そして労働組合の構成に至るまで、独自の道を歩んできた特色ある企業です。

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