神戸丸 (四国フェリー・初代)

神戸丸の概要

神戸丸は、四国フェリーが運航していた初代のフェリーであり、1970年10月に就航しました。このフェリーは、神戸港と高松港を結ぶ航路を開設するために四国ドックで建造されました。船はその後、1981年に第一神戸丸と改名され、1982年には新たに就航した神戸丸（2代）にバトンタッチする形で引退しました。

運航とその後の経歴

引退後、神戸丸は海外に売却され、韓国で新たな航海を始めました。船は次々と運航会社を変更しながら、以下のような名称で運航されました。1982年にはDong Nam Jumbo Ferry、1985年にはKorea Car Ferry No.1、さらには1987年にHo Hoe Car Ferry、1988年にDae Han Express Car Ferryと名を変えていきました。1988年にはCosmo Tiger Corpに売却され、Car Ferry Queenとして運航されることになります。

その後、1996年にはSemo Marine Co.に売却されSemo Express Ferryとして就航。1999年には一時的にRising Star 1と改名されましたが、再び元の名前に戻ることとなります。2007年にはインドネシアのP.T. Prima Vistaに売却され、Marina Nusantaraとしてスラバヤ - バンジャルマシン航路に就航しました。

しかし、2011年9月26日には運命的な事故に遭遇しました。カリマンタン島のバリト川において、石炭を輸送していたはしけと衝突し、火災が発生。この事故では400名以上の乗客が乗船していましたが、周囲を航行していた他の船舶による救助活動が行われ、最終的に3名が死亡、103名が負傷する惨事となりました。

航路の特徴

神戸丸は日本海運（ニュージャンボフェリー）との共同運航の下、以下の航路を開設していました。神戸港（東神戸フェリーセンター）から高松東港に至るルートです。この航路は、初代神高丸とも共に運航され、両港を結ぶ貴重な交通手段として人々に利用されていました。

船舶の設計と設備

神戸丸の船内には様々な種類の客室が設けられていました。特別室と個室（36名収容）は和室2室と洋室10室があり、さらに椅子席（72名）も用意されていました。一般室には椅子席（142名）とじゅうたん席（250名）があり、乗客はそれぞれのニーズに応じた座席を選ぶことができました。

また、船内にはレストランやスナック、売店、浴室などの設備も整っており、長旅を快適に過ごすための工夫がなされていました。このような多彩な施設は、神戸丸がただの運送手段でなく、旅そのものを楽しむための船であったことを示しています。

まとめ

神戸丸は、四国フェリーの歴史の中で重要な役割を果たし、さまざまな国や会社で運航され続けました。その流浪の歴史もまた、海と人々を結ぶ旅の一部として語り継がれています。

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