神戸市立神戸西高等学校

神戸市立神戸西高等学校

兵庫県神戸市西区の自然豊かな丘陵地に、かつて「こうべしりつ こうべにしこうとうがっこう」と称される神戸市立神戸西高等学校がありました。地域に根差した学び舎として、多くの生徒を送り出してきましたが、時代の変遷とともにその役割を終えることとなりました。

本校は、神戸市立須磨高等学校との再編・統合の対象となり、2009年（平成21年）には、両校を母体とする新たな神戸市立須磨翔風高等学校が神戸市営地下鉄名谷駅前に開校しました。これに伴い、神戸西高等学校としての生徒募集は停止され、残る在校生が卒業するのを待って、2011年（平成23年）3月31日をもって正式に閉校しました。閉校後、使用されなくなった校舎やグラウンドなどの施設・敷地は、神戸第一高等学校が取得し、同学園の「西キャンパス」として現在も活用されています。

設置学科

設置されていた学科は普通科のみでしたが、生徒一人ひとりの興味関心や将来の希望に応じた多様な学習機会を提供するため、特色ある教育課程を編成していました。1年次では、全ての生徒が共通のカリキュラムで高校教育の基礎をしっかりと固めました。2年次以降は、より専門的な学びを深めるための複数の類型（コース）に分かれました。

人文科学類型: 人文科学分野に興味を持つ生徒を対象としたコースです。
体育福祉類型: 体育分野と福祉分野に関心を持つ生徒のためのコースです。
医療福祉類型: 医療や福祉分野への進路を強く希望する生徒に向けたコースでした。

入学者選抜においては、学力検査に基づく一般選抜に加え、学校独自の特色を重視した特色選抜も実施し、多角的な視点から生徒を受け入れていました。

沿革

神戸市立神戸西高等学校の歴史は、戦後間もない1948年（昭和23年）に、定時制高校である神戸市立西神高等学校として産声を上げました。その後、学校の発展に伴い、1961年（昭和36年）には現在の神戸市西区平野町の地へ移転しました。そして、1963年（昭和38年）に校名を神戸市立神戸西高等学校に改称し、全日制普通科が設置され、昼間に学ぶ生徒たちの受け入れが始まりました。全日制課程の設置が進む中、1966年（昭和41年）には定時制課程はその役割を終え、廃止されました。1995年（平成7年）には阪神・淡路大震災により校舎などに被害を受けましたが、復旧を経て教育活動は続けられました。しかし、神戸市の高校再編計画に基づき、2009年（平成21年）4月には神戸市立須磨高等学校との統合により新たに開校した神戸市立須磨翔風高等学校への一本化が決まり、神戸西高等学校としての生徒募集が停止されました。そして、在校生の卒業を待って、2011年（平成23年）3月31日に60年以上の歴史に静かに幕を下ろしました。

校風と教育目標

本校は「自立・協調・創意・練磨」という四つの言葉を校訓として掲げ、生徒たちが社会の中で力強く生きていくための精神的な柱としていました。特に教育活動の中で重視されたのは、福祉やボランティア精神の育成です。他者を思いやる心、助け合う大切さを学び、温かく協力的な人間関係を築くことができる人材を育てることを大きな教育目標としていました。

部活動

勉学だけでなく、部活動も盛んに行われており、生徒たちはそれぞれの興味や特技を活かして活動に取り組みました。

運動部

野球部
硬式テニス部
軟式テニス部
バレーボール部
バスケットボール部
レスリング部
バドミントン部
ゴルフ部
卓球部
剣道部
柔道部
水泳部

文化部

茶華部
書道部
写真部
家庭科研究部
和太鼓部

同好会

空手同好会
チアリーディング同好会
美術同好会
手話同好会
ラグビー同好会

進路状況

卒業生は、四年制の国公立大学や私立大学、私立大学短期大学部、専門学校へと進学する者、あるいは社会に出て就職する者など、多様な進路を選択しました。

著名な出身者・関係者

本校からは、様々な分野で活躍する人材が輩出されました。

卒業生

リピート山中（フォークシンガー）
木村優一（和太鼓演奏家）
大石幸史（総合格闘家）
福敬登（プロ野球選手）
濱野雅慎（野球指導者）

元教員

前澤弘明（チキンガーリックステーキのメンバー）

神戸市立神戸西高等学校は閉校しましたが、その歴史や地域社会に貢献した役割は、今も人々の記憶に残っています。

関連項目

兵庫県高等学校の廃校一覧

外部リンク

* 神戸市立神戸西高等学校（閉鎖）

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