神田時枝

神田時枝：長寿と多彩なキャリアを彩った女優の一生

神田時枝（かんだ ときえ）は、1919年12月17日、神奈川県で生まれ、2019年12月27日、老衰のため100歳で亡くなりました。本名は宮崎登美江（みやざき とみえ）。東京俳優生活協同組合に所属し、映画、テレビドラマ、特撮、さらにはラジオと、幅広い分野で活躍した日本の女優です。

横浜英和女学校卒業後、神田時枝の女優人生は新興キネマから始まりました。その後、劇団創作座（1937年入団）、演技座、劇団中芸（1950年入団）、舞芸座（1955年入団）と、複数の劇団を渡り歩き、研鑽を積みました。1960年には、東京俳優生活協同組合に所属し、数々の作品に出演することになります。

彼女のキャリアは実に多岐に渡り、映画では黒澤明監督作品『乱』（1985年）への出演も経験しています。その他にも、『血と海』（1965年）、『竹山ひとり旅』（1977年）、『ディア・ドクター』（2009年）など、多くの作品で個性的な演技を見せています。特に、時代劇や人情劇における老女役は、彼女の持ち味として高く評価されていました。

テレビドラマにおいても、神田時枝は数多くの作品に出演し、視聴者から親しまれていました。NHK連続テレビ小説『おしん』（1984年）への出演は、その代表的な例と言えるでしょう。その他にも、『時間ですよ2』（1971年-1972年）、『非情のライセンス』（1974年）、『白い巨塔』（1978年）、『はぐれ刑事純情派』（1999年）など、人気ドラマへの出演が多数あります。これらの作品では、脇役ながら作品に深みを与える存在感を示し、視聴者に強い印象を与えました。

特撮番組にも出演しており、『忍者戦隊カクレンジャー』（1994年）などにも顔を見せています。また、ラジオドラマ『レンタルキャリア』にも出演するなど、表現方法を選ばず、精力的に活動を続けました。

アルトの声質も持ち味の一つであり、さまざまな役柄を演じ分ける上で大きな強みとなっていました。三浦半島劇団「海」の代表も務めていたことから、女優としての活動にとどまらず、演劇界全体への貢献も行ったことがわかります。

2019年、100歳という長寿を全うして亡くなった神田時枝。その訃報は翌年1月6日に発表され、多くの関係者やファンに惜しまれつつ、長く輝かしい女優人生の幕を閉じました。彼女の残した作品は、これからも多くの人々に感動を与え続け、日本の演劇史にその名を刻み続けるでしょう。100年の生涯を舞台の上で生きた、まさに伝説的な女優の一人です。

主な出演作品

映画
笑ふ地球に朝が来る (1940)
血と海 (1965)
竹山ひとり旅 (1977)
あしたの火花 (1977)
乱 (1985)
D#1 (1997)
ちぎれ雲 いつか老人介護 (1998)
もんしぇん (2006)
ディア・ドクター (2009)

テレビドラマ (一部抜粋)
サンウエーブ火曜劇場「ホープさん」(1960)
二人だけのクリスマス (1960)
おしん (1984)
時間ですよ2 (1971-1972)
非情のライセンス (1974)
白い巨塔 (1978)
はぐれ刑事純情派 (1999)
そして多くの作品…

特撮
忍者戦隊カクレンジャー (1994)

ラジオ
* レンタルキャリア

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