神社山

神社山（じんじゃやま）

神社山は、北海道札幌市中央区に位置する標高237メートルの山です。

名称の由来

山名の由来は、1897年（明治30年）12月に札幌神社（後の北海道神宮）の所有地となったことに起因します。アイヌ語では「エプイ」（つぼみのような小山）と呼ばれていたと伝えられています。

自然

現在も北海道神宮が管理しているため、豊かな緑が保たれています。登山道は存在しません。

北部軍秘密地下司令部

太平洋戦争末期、戦局が悪化の一途をたどる中、北部軍はアメリカ軍の上陸に備え、月寒にあった防空作戦室の移転先を検討していました。その候補地として選ばれたのが神社山でした。

北海道神宮の「社務日誌」には、「昭和20年6月25日北部軍司令部大竹少尉が要望書なるものを持ってきた」という記述が残されています。この要望に基づき、神社山に地下司令部を建設する計画が始まりました。

工事には、勤労動員された主婦や朝鮮半島出身者を含む人々が従事し、手作業で山に横穴が掘られました。しかし、資材不足や終戦により、地下司令部は完成することなく工事は中断されました。

現在、洞窟自体は現存していますが、安全上の理由から入り口は封鎖されており、内部への立ち入りはできません。この地下司令部の跡は、戦争の記憶を伝える貴重な遺構として、ひっそりとその姿を留めています。

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1
『札幌の山々』さっぽろ文庫48
* 札幌郷土を掘る会『写真で見る札幌の戦跡』北海道新聞社、2010年12月28日。ISBN 978-4-89453-578-7。

もう一度検索