神立スノーリゾート

新潟県南魚沼郡湯沢町にある神立スノーリゾートは、かつて「神立高原スキー場」として知られた歴史を持つスキー場です。1986年、日本のバブル景気到来とともに巻き起こった第二次スキーブーム期に開業。当初から「日帰り客」のニーズに徹底的に応えることを運営方針の柱としていました。

特徴と概要

神立スノーリゾートが位置する湯沢エリアは有数の豪雪地帯であり、特に当スキー場は三方を尾根に囲まれた雪が溜まりやすい地形と、良質な雪が維持されやすい北向き斜面のおかげで、豊富な積雪量と標高の低い湯沢周辺のスキー場としては珍しい優れた雪質に恵まれています。関越自動車道の湯沢インターチェンジからも非常に近く、首都圏からのアクセスは抜群です。ゲレンデ規模は中規模ながら、スキーブーム最盛期には年間100万人を超える来場者数を記録するなど、絶大な人気を誇った時期もありました。

日帰り利用に特化していることから、そのための施設が非常に充実しています。地上6階建ての巨大なセンターハウスは「リゾートホール」と呼ばれ、湯沢地区でも最大級を誇る入浴施設「神の湯」をはじめ、ゆったり過ごせる仮眠室やリラクゼーション施設が完備されています。他にもレストランやゲームコーナーなどがあり、一日中快適に過ごせる空間が提供されています。ナイター営業時間帯には、「神の湯」で簡易的な個室宿泊も可能です。過去には、週末に夕方から早朝まで営業するオールナイトスキーを実施していた時期もありました。

ゲレンデとコース

ゲレンデはセンターハウスから直接アクセスするのではなく、まずAリフト（旧・戸沢ペア）に乗車して滑走エリアへ向かいます。Aリフトは2線で運行されていますが、特に混雑日は乗車待ちが発生することもあります。下山時には、センターハウス前まで滑り降りるための専用コースを利用します。スキー場全体の標高差は540mですが、これはAリフト部分を含んだ数値であり、実質的な滑走エリアの標高差は約460mとなります。

リフトは計5本が設置されており、うち3本は1kmを超える高速クワッドリフトで、ゲレンデ内の移動効率が良いのが特徴です。また、神立はパークの充実度でも知られています。石川敦士プロデュースのスクローバーパークを中心に、ハイクアップパークやバンクドコースなど、様々なアイテムや地形が整備されており、フリースタイル志向のスキーヤー・スノーボーダーも楽しめます。

コースは多彩で、初心者から上級者までレベルに応じて選べます。上級者向けには、景観が良く特定日営業の「ミルキーウェイ」、非圧雪の「スーパーアンタレス」、最大斜度45度の難コース「オリオン」、壁のような急斜面「ヘラクレス」、2019-2020シーズンに新設されたツリーランコース「ツリーヘラクレス」などがあります。中級者コースには、山頂からの眺望が素晴らしい「スバル」、モーグルエリアが設けられた「レグルス」などがあります。初心者コースも複数あり、特に下山コースでもある「ベガ」や、比較的新しい林間コース「ポラリス」などがあります。「プロキオン」「ポルックス」「ベガ」はナイター営業も実施されています。

波乱の沿革

神立スノーリゾートの歴史は、まさに波乱に満ちています。1986年に株式会社連合開発により開業し、サンライズスキーや独特な接客サービスで一時は大きな成功を収めました。しかし、バブル崩壊とともに経営が悪化し、2002年に運営が困難となります。その後、運営主体は有限会社神立高原、株式会社東急リゾートサービス、パインリッジリゾート株式会社と短期間に変遷。特に2003年には連合開発が破産し、来場者が激減するという厳しい時期を経験しました。

2009年にはパインリッジグループも経営難に陥り、湯沢町との土地契約が解除され破産。新たな会社が運営を引き継ぎましたが、施設登記や賃金未払いなどの問題が露呈し、同社も2013年に破産しました。これにより、2013-2014シーズンは営業休止という事態に追い込まれます。

翌2014年より株式会社マックアース関連会社による運営で営業を再開。その後も経営主体の変更に関する動きは続きましたが、2018年に現在の運営会社となる株式会社MEリゾート湯沢（現：株式会社神立リゾート）が土地賃貸借契約を結び、運営を引き継ぎました。そして2019-2020シーズンには施設全体の大規模なリノベーションを断行し、名称も現在の「神立スノーリゾート」に改称。コースの新設・改良やサービスの拡充を行い、新たな歴史を刻んでいます。

その他

公式キャラクターは黄金の翼を持つ「神立ペガサス」で、リニューアルされたロゴなどにも登場しています。情報発信にも力を入れており、公式サイトやSNSでゲレンデ情報などが細かく発信されています。また、パークのアイテムは常に整備されており、パーク目的の来場者も満足できるクオリティが維持されています。

アクセスは極めて便利です。公共交通機関を利用する場合、越後湯沢駅から無料シャトルバスで約7分。自動車の場合も関越自動車道湯沢ICから国道17号経由でわずか約3分で到着します。約2,000台収容の駐車場は終日無料で利用できます。

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